少子高齢化が叫ばれている日本では、与党も野党も子育て支援政策には一生懸命です。少子化が進む理由としては、様々ありますが、以下の国会討論では「未婚化」の影響もあると、政府の公式見解がありました。
さて、なぜ日本は未婚化に走るのでしょうか?その理由をまとめてみました。

 


まず、問題を大きく2つに切り分けます。「結婚しない」なのか「結婚できていない」なのかです。
「結婚しない」というのは、たとえ、見た目が好みで、性格も良く、お金問題もない人から結婚を申し込まれても、NOと断れる程度に意識的に選択した人のことを言うでしょう。ホリエモンなど一部の有名人はまさに「結婚しない」に分類されますね。それで結婚しようかなと揺らぐ人は、少なくとも「結婚しない人」ではありません。令和3年版少子化社会対策白書によると、アンケートで「いずれ結婚するつもり」と回答した人、つまり、結婚願望はあるけど結婚できていない人は、未婚の18~34歳の男女ともに85%以上に上ります。つまり、基本的には大半の方々は結婚したいのですよね。


その上で、結婚しない人15%の人は、以下の理由を挙げることがあります。
・結婚することに特にメリットが見いだせない
・職業上、明確なデメリットがある(芸能人など)
・コスパが悪く、お金、時間、自由が無くなる
・相手の家族と付き合うのが面倒
・一人の相手とずっと一緒にいなければならないことへの懸念
・もっと沢山の人と恋愛やセックスがしたい
・誰かと一緒に暮らすイメージができない
・離婚したときのトラブルが嫌
・結婚するための努力が嫌
・ヘテロセクシャルではない
・結婚以外の異性との付き合い方がある(事実婚、パートナーシップ制度など)
(その他、離婚、死別など)


価値観の多様化のもとに、結婚したくない人はさておいて、問題なのは、結婚できていない人です。ここでもさらに状況は、二分されます。「付き合っている人がいない」、「付き合っている相手と結婚に至っていない」です。リクルートのブライダル総研によりますと、2021年に未婚の20~49歳において、恋人がいる割合は33%、いない割合は67%となります。以前はお見合い婚が主流ですが、今ではほとんどが恋愛結婚に移行してしまったため、恋人の有無が結婚に影響します。

付き合っている相手と結婚に至っていないのは、以下の理由が挙げられます。
・結婚するきっかけを模索中
・付き合っている相手は、あくまでも現在結婚相手候補の暫定1位で、見極め中
・お金の問題(結婚式費用、出産育児教育、老後などの将来に展望がもてない)
・結婚することを片方、あるいは双方が望んでいない
・学生であるなど、まだお互いに若い
・別れることを念頭においているが、まだ別れられていない状態

ちなみに現在の恋人と結婚したい人は61%とのことです。このあたりで国や事業として介入できるのはお金だけといえそうですね。ただ、やはり未婚者で主流なのは、「結婚したいけど、恋人なしの未婚」です。割合をクロスして考えると、未婚者のうちの過半数を占めています。


では、本題はここからです。「結婚したいけど、恋人なしの未婚」が増加している理由は何でしょう?

【1】自然な出会いが減った
少子化社会対策白書には「適当な相手にめぐり会わない」というのが、独身でいる理由の半数を占めています。コロナ禍で人との出会いが減ったというのもありますが、ガッキーなんかは、コロナ禍で着々と交際をして結婚発表したわけですよ。やる人は、別にコロナを言い訳にせず、やっております。むしろ、コロナは嫌な人のお誘いを断るための取って付けの理由ですね。出会えない原因は、もっと根本的に問題がありますね。
出会いというと、これは2017年のデータですが、「自然な出会い」というのが理想的な出会い方だとされています。具体的にいえば、職場や学校での出会いです。学校は卒業してしまうとそれっきりですが、職場ではどうでしょうか?昨今ではセクシャルハラスメントという言葉が横行しております。私の今の本業はIT系で、男性ばかりの職場ですが、職場に今度女性が来るぞという話が出ると、セクハラと思われないためにどうしようと戦々恐々とした状態になったほどです。さらに良くも悪くも飲みニケーションは絶滅しかかっており、ますます社内恋愛はしづらいでしょう。そのほか、友人関係・サークル・趣味・習い事での出会いも理想とは思われています。ただ、それらの会合にいざ参加してみると、コミュニティの人間関係を壊してでも突き進むべきかという倫理観が問われます。最近の人たちは、そういった、人間関係に波風を立てるのを怖がる傾向にあります。ある意味では「良い人化」と言えるでしょう。


【2】自律的出会いと絶望
「自然な出会い」がうまくいかない人は、最初から出会い目的で行ったらどうかと「マッチングアプリ」「お見合いパーティ」、「結婚相談所」などに挑戦することでしょう。
登録すると、様々な異性のリストが並び、最初は楽しいかもしれません。ただ、やってみると、思ったよりマッチングしないということに気付きます。自分は選ぶ側であるのと同時に、「選ばれる側」でもあるのです。さながら、恋活婚活は、就職活動と似ていると実感することでしょう。

マッチングアプリは、お互いがプロフィールを見て、いいねボタンを押し合うと、マッチングとなり、メッセージのやり取りができます。このアプリの世界は男性過多です。モテる女性は、1時間に100以上のいいねを男性から受け取り、疲労困憊してしまいます。
男性は、逆に100人以上のライバルと比較され選ばれることとなります。男性は、1か月で20いいね貰えれば良い方です。しかも、仮にマッチングしたとしても途中で何の前触れもなく相手の女性からメッセージが返ってこなくなることも珍しくはありません。女性は複数人とメッセージをやり取りしていることが珍しくないので、同時対応は無理と、不誠実に男性を切りおとします。写真とプロフィールだけでの世界は、光るものがなければ厳しい世界なのです。ちなみにメジャーなアプリは男性有料、女性無料であることが多く、男性は、金払っているんだから良い人とマッチングしたいという気持ちは強くなります。そのため、玉砕覚悟で、男性は、良いプロフの女性にアプローチをし続けるでしょう。

お見合いパーティは、様々な形式がありますが、ローテーションである程度の参加者と一度軽く自己紹介をしあい、最後に連絡先を交換したい人を投票します。互いに交換したいと希望し希望された二人が、マッチングとなるのです。特定の人に人気が集中するという事象が発生します。確率的には「中高のクラスで、一番人気の男女ひとカップルだけが誕生する」といった感じで、大抵の場合、その会場の同性の中で自分が一位でなければ、マッチングはしづらいです。

結婚相談所について、婚活苦戦者の最後の駆け込み寺というイメージがあるかもしれませんが、こちらはこちらで壮絶です。データベースを基に、お見合いを申し込みたい人に申し込んでいきます。実質的には、お互いに身分保障されたアドバイザー付強化版マッチングアプリみたいなものです。身分保障と言いますと、男性は確定申告書か源泉徴収票など年収証明の提示が求められます。建前上、年収300万円以上で登録可能な相談所が多いようです。しかし、女性がデータベースで申し込みたい相手を検索する際に、フィルタリングで年収400万円以上、500万円以上の男性のみ確認しようとします。お金がないとプロフィールを見てすらもらえないという現実がそこにあります。30代後半の未婚男性の年収中央値は341.7万円ですので、ほとんどの男性は、女性の希望に見合っていないということになります。そのため、数少ない高収入男性をめぐって、壮絶な女性余り現象が発生します。女性としては、高い金を払って相談所を利用しているため、いい男を捕まえようと必死なのですね。ちなみにですが、男性は年収公表は義務化されており、女性は年収の公開は自由という結婚相談所は多いです。

はっきり言うと、上記のような壮絶な婚活サービスが横行しているのが、現状であり、サービス利用者の大半が成婚に至りません。それによって、傷つけられた人たちの一部は、結婚をあきらめてしまう人も出てきます。


【3】お互いに過剰要求をする地獄
男性は、女性に何を求めるかといえば、若さ(出産適齢期の年齢)、美貌を求める傾向が強く、あとは共働きじゃないとやっていけないということから「無職ではない」というのを求める人も増えてきました。同世代や年上もパートナー候補の範疇に入れるべきでしょう。

女性は、男性に何を求めるかといえば、まずは収入です。しかし、上記のとおり、契約・派遣・バイトなどの非正規雇用化、あるいは正社員でも日本の経済成長の鈍化により、欲求を満たせる男性は非常に少ないでしょう。500万円という具体的な数字ではなくとも、せめて自分と同じぐらいかそれ以上に稼いでくれというのが、切実な望みだと思われます。女性は基本的に上昇婚志向な訳ですが、女性の社会進出によって活躍すればするほど、パートナー候補となる対象者が狭まるという社会の構造的な欠陥を抱えておりますね。男性からすれば案外、自分より年収が高い人でもOKと思っている人が少なくありませんが、女性は下降婚は望まない傾向にあります。また、複数の結婚相談所のアドバイザー曰く、女性側の過剰要求について問題視しています。デートをするときは、男性は女性を極力もてなさなければならず、一部の女性は男性を厳しく査定していることもあるのだとか。

お互いに譲歩しないと、自律的出会いは構造的に成立しないです。なお、女性が相手に求める年収で、自然な出会いの場合は300万円にまで下がるケースもあります。自然な出会いの場合は、スペックを知る前に、人柄を知ることができるからです。逆にいうと、自律的出会いは、人柄を知る前に、スペックでフィルタリングしているため、一部の恋愛強者と多数の敗者の差が明確に数字に表れます。



箇条書きにすると次のとおりです。
・セクハラ回避のため、職場での出会いを恋愛結婚に繋げられなくなった
・コミュニティ維持のため、仲間内での出会いを恋愛結婚に繋げられなくなった
・自分は選ぶ側だと思い込み、選ばれているという視点の欠如
・低品質な恋活婚活サービスにより、自信を喪失し、諦める
・男性の低年収化の一方、女性の上昇婚志向の維持とレディファースト志向




未婚化問題を解決するのは、男性だけの年収を上げる(ITエンジニア、建設関係など女性が進んで入りたいと思わない業種に国が徹底的に投資)、子育て費用など将来的な不安を無くす、プロフ写真が魅力的に見える人を増やす(ダイエットのためのジムクーポン配布、美容外科を保険対象、ロカボ商品の推奨)、年収の実態を高校の家庭科か現代社会で教える。・・・など、そんな感じですかね。