最近、ひょんなことから学校の校長になったら何をやりたい?と聞かれたことがありました。

教育方針とか教育システムとかで独創性を出すなど色々頭をよぎりましたが、一番切実に思ったのは、「PTA改革」でした。もちろん、PTAと学校は別々の組織です。ただ、校長だからこそ、できることもあるとは思います。

現在のPTA活動には問題が多いです。近年、夫婦共働きが前提とした社会になってきており、これまで以上に保護者には時間的余裕はなくなりつつあります。本来任意加入にも関わらず、事実上の強制加入となり、さらにくじ引きや他薦などで無理やり役員に選ばれてしまった方も少なくありません。義務感からお時間や会費を捻出して頂くことは、どうなんでしょうかね。他にも、活動内容そのものにもメスは入れられます。例えば、慣習的によく行われる活動として、「ベルマーク活動」や「プルタブ集め」など。お気持ちとしては大変素晴らしいものではありますが、集計する際のコストを考えると、直接的に寄付を募った合理的でしょう。

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ここでPTAの役割を整理してみましょう。役割は大きく分けると、三点です。一点目は「保護者が学校や行政に対して物申せる場の整備」、二点目は「生徒の学習環境の整備(学校敷地内の草むしり、防犯パトロール、イベントサポートなど)」、三点目は「学校備品購入の寄付に繋がる活動(ベルマーク収集など)」。これらのいずれも、保護者だけが頑張らなければならない問題なのでしょうか。上記三点の役割を念頭に、どのようにPTA改革をするのか、考えてみましょう。

物申せる場の整備に関しては、校長も参加した上で、学校が主催する保護者との定期的に意見交換会を開いていくのが良いでしょう。また、学校だけでなく地域教育のマターの場合、首長や教育委員会と保護者が直接対話できる集会などを設けるよう行政に進言することもできます。

学習環境の整備に関しては、プロジェクト制にし、各課題について問題意識を抱える保護者や地域の方々を中心に回していただけるのが良いやり方だと思います。何なら、地域住民と交流したい地方議員や学校に営業に来る業者もこの輪に参加し、一緒にイベント企画をすれば良いです。また、生徒会などの生徒を巻き込み、大人のパワーも借りた体育祭や文化祭を開くのも面白いかもしれません。校内草むしりについては、本来、学校や行政が担当すべきであり、保護者を巻き込むこと自体が誤りだと言えます。PTAの中心的役割は、実働というよりも、プロジェクトとなりうる課題情報の収集と、プロジェクト化するかの判断、メンバの勧誘とプロジェクトへの斡旋など事務局機能に留めるのが理想です。また、学校でも、PTA、OB・OG・地域住民とのコミュニケーションを専門とするスクールサポーターを雇用し、連携を深めるのも面白いでしょう。

最後に寄付について。そもそも論として、必要備品が足りていない場合、学校に対する予算配分が間違っています。委員会や議会とも連携し、必要予算は確保したいところです。とはいえ、行政の予算には限りがあるため、寄付自体はありがたいものです。PTAが寄付集めに奔走して頂けるのは心強い訳ですが、その財源は強制的に徴収した会費ではなく、任意の募金活動にするべきでしょう。学校としても、上記のスクールサポーターに独自の寄付受付活動をするが良いでしょう。

校長となって、非常に多忙な保護者の負担を減らす、つまり、PTA改革を行うには、各方面と密にコミュニケーションを取る必要があります。PTAの中心メンバとよく対話し、できる部分は巻き取って、保護者のご負担を最小化し、より合理的かつ開かれた学校を作っていく、これが、もし自分が校長になったらやりたいことですね。