ウクライナ-ロシア戦争に注目が集まっており、下手すればオリンピックよりも盛り上がっているのではないかなと思う昨今です。ただ、ウクライナ頑張れっていう風潮は、ときどき違和感を覚えることがあります。

例えば、下記の図は日経新聞のサイトから引用した図ですが、2020年4月において日本へのサイバー攻撃の送信元の国を示しています。攻撃元は今も話題のロシア、日本と軍事同盟国の米国、法規制の緩いオランダ、日本の潜在的脅威の国中国、そして、ウクライナと続いています。あくまでも日本への最後の中継器となるサーバのある国を指しているので、別の国の人がウクライナにあるサーバを経由して日本に攻撃している可能性もありますがね。また、国じゃなくて、組織や企業が攻撃している可能性もありえます。いずれにせよ、日本の防衛的観点からすれば、ロシアもアメリカもウクライナも結構きな臭い国なのですよ。


ウクライナ


それでも、米国とは安保、ロシアには経済制裁と、メリットデメリット・正義悪の計算をした上で、それぞれ対応している訳であって、ウクライナも冷静な視点で評価して対応する必要があります。

メリットデメリットというと、日本とそれぞれの国と良好な関係を築けなかった場合、どうなるかをまとめてみます。

【ウクライナとの関係が悪化した場合】
・アメリカやヨーロッパの国々からの信頼をなくし、アジアで日本が巻き込まれる戦争が発生したとき、助けてくれづらくなる。
・ロシアに協力的なそぶりをみせるとむしろ、日本も経済制裁の対象となり、国内経済が大混乱に陥る。


【ロシアとの関係が悪化した場合】
・下手に刺激をすると核も含めた報復の可能性もある。
・天然ガスや木材、魚介類の調達に困る。
・ロシアに進出した日系企業に大打撃。
・ロシア上空を日本の飛行機が飛べなくなるため、ヨーロッパへの移動・運送コストが大きく跳ね上がる。
・交渉による北方領土返還の実現がさらに難しくなり、北方領土での交流活動に断絶が生じる。


どっちもやりすぎれば、結構な日本の損失となります。ただ、「ロシアに肩入れして、世界から経済制裁を追う可能性」と「ウクライナに肩入れして、ロシアに報復攻撃をされる可能性」を比べると、前者の方が現実的に起こりやすそうではあるので、欧米諸国と連携して、ロシアを制裁する方が、期待値的にはまだダメージは少ないと言えます。



今回の戦争で、それぞれの大義名分を語るのであるならば、こんな感じです。

【ウクライナの言い分】
・2014年にロシアがクリミア半島を併合した。
今まさに、ロシアに国内を攻められ、国の存亡をかけて防衛している。

【ロシアの言い分】
・隣国であるウクライナがNATO(敵対勢力)に寝返ろうとしており、脅威である。
・ウクライナ国内の親露派が弾圧されている。
・ウクライナは危険な兵器を開発している。
・ウクライナはナチスのような考え方を持つ。(※ウクライナの野党には確かに過激な政党があるが、あくまでも野党)
・ウクライナ政府はウクライナ国内を爆撃・破壊している。


双方言い分はあるのかもしれないですが、結局手を出してしまったのはロシアであり、また、ウクライナ国内の親露派を救おうとする大義名分があったとしても、市街地を無差別砲撃をしてくるのは親露派住民を巻き込む可能性もあるわけで、言っていることとやっていることの筋が通っていません。国際世論としても、ウクライナに同情的になるのは、違和感はありません。



あと、それぞれの国内統治体制について、見ていてそれぞれどうなのと思います。

【ウクライナ国内統制で気になること】
・女性子どもは国外避難を認めるが、男性は認めづらい。
・一部の職能を持つ男性には召集令状で軍役を課している。

【ロシア国内統制で気になること】
言論統制政策が強く行われており、白紙のプラカードを掲げても逮捕される。
・一部テレビ局の閉鎖、残ったテレビ局は政府支持のプロパガンダ機関になっている。
・大手SNSへのアクセス禁止を行い、海外情報に接しづらくなっている。
・まともな野党がいない。(北海道はロシア領だと主張する右翼や共産主義を掲げる左翼など)

ロシア国内でプーチン支持率が7割になるのも分かりますね。ここで、ロシア人は悪なのかということも少し書いておきたいです。プーチン政権は国民の強烈な支持の下で成り立っており、国民の税金を活動資金としている訳です。ただ、その支持率も上記のような要因があるわけで、ある種の洗脳をされているのは間違いないでしょう。また、海外住まいのロシア人も国内に残してきた家族や友人の命を考えると、声高に反戦を主張できないのが大変なところです。プーチンに怒りの矛先を向けることはあっても、ロシア国民に矛先を向けるのは違うとは思います。日本にいるロシア人を責めるのはやめましょう。


まあ、それに比べれば日本国の環境は実に健全ですわな。改憲すべきと主張する自民党議員も、自衛隊を段階的に無くそうと主張している共産党議員も、どっちも日本国民の税金によって飯を食っているわけであり、また政府は自民党支持者だろうが共産党支持者だろうが、(不法占拠や暴力がない限りにおいては)逮捕することはなく、(建前上は)平等に公的サービスを提供しています。れいわの議員が国会で発言権がない場で叫んだと叩かれましたが、ロシアでは反戦をテレビ番組で訴えたら警察に連れていかれるなど、日本は本当に言論の自由があるなぁと思います。


ロシアもウクライナもどっちもたいがいな部分はあるわけで、素直にウクライナに寄り添おうというのは微妙ではないかと思います。それはそれでウクライナや日本や欧米のプロパガンダに流されすぎかと。ただ、「被害を受けているウクライナの国民に寄り添おう」ならわかります。もしくは、双方の言い分を確認した上で論理的整合性を考えると、民間人を攻撃している可能性が高いのは断然ロシア軍の方なので、「非難されるべきはロシア軍(政府)の方」という言い方もアリかもしれません。


なお、様々な人道的観点を無視し、あえて純粋に日本の国益だけを考えたこの戦争の向き合い方としては、「ロシアのヘイト管理をしながら、欧米諸国との歩調を合わせ経済制裁。ロシアを経済的に疲弊させ、内乱を勃発させる。復興資金を渇望している臨時政府を相手に、北方領土を買う。」です。第三次世界大戦勃発のリスクから、ロシアには、うかつに外国から軍事攻撃できない訳であり、国内から浄化してもらう他にはないでしょう。そのために、ロシア国民に立ち上がってもらう必要があるわけですが、テレビを見ている一般国民は政府の異常性に気付くことは厳しいでしょう。国民には、生活の異変とその原因に気付いてもらうしかないような気がします。