都議補選北区

直近2か月間において、うちのポストに投函されていた7月5日の北区都議補選を睨んだ政治系チラシです。維新2枚、都民ファ1枚、立憲1枚、自民2枚。この他、都議補選っぽくないものでは公明・維新・自民・共産・無所属区議が1枚ずつ投函しております。最近の東京都北区では人が集まりそうな場所では候補が至る所で演説をしていますが、中々の泥仕合になっている模様です。具体的にはこんな感じ。


立憲陣営の悪意か、自民陣営または維新陣営の自作自演か、無関係の都民ファ陣営による三者一挙のイメージダウン作戦か、真相は闇の中。結果的には、どこの陣営にとってもイメージアップにはならない訳であり、ポスターの管理者である立憲陣営が早急に片づけた模様です。

そもそも論としてですが、この選挙は何なのかを一度まとめてみましょう。
17年に都議会議員選挙がありましたが、当時、都民ファーストの会で当選した音喜多氏が、別の選挙に出るために辞職して生じた欠員を埋めるための選挙です。北区は公明党と共産党の聖地であり、北区の3議席のうち2議席はこの2党が占めているので、他の政党がこの1議席狙うこととなります。

そして、立候補を表明しているのが、日本維新の会・あたらしい党公認の佐藤こと氏、都民ファーストの会公認の天風いぶき氏、立憲民主党の斉藤りえ氏、自由民主党のやまだ加奈子氏になります。勢力図から言うと、6月17日現在下記のような感じで、若干、自民やまだ氏が優勢かと思われます。

都議補選構図


私個人としては音喜多支持ですが、中立な視点で申し上げれば、維新・都民ファ・自民というのは、責任政党としてのカラーが強く、政策そのものは超じっくり見比べれば違いがあるものの、大筋として建前としての政策は似ていると思われます。本当に実行するか、実行できるかは知らんけど。この辺りはもはや好みの問題と言えるかもしれません。今回は公明党が大っぴらに動けず、この三党が互いを食い合い、野党支持層がまとまると、意外に立憲が独り勝ちするシナリオすらありえると思っています。ぶっちゃけ言うと、どこが勝つのかよく分かりません。ただ、今後予測されるイベントが当落に大きく影響があるかと思われます。


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佐藤こと氏(日本維新の会・あたらしい党公認)は、議席を空けた音喜多参議院議員の後継者。海外の一流大学留学経験(TOEIC満点)や障害者支援の会社で働いていたこともあり、硬派と思われる維新の中では比較的柔軟な発想を持ち、100個の政策を掲げて既成政党が成し遂げられないことを突破する力が期待されます。音喜多事務所の裏方をしていましたが、区内での本人そのものの知名度が低いため、挨拶活動などを人一倍頑張る必要があるでしょう。それと興味深いのは、東京12区(北区中心)の衆議院選で維新は独自候補を擁立することです。今回の選挙は本命の公明党の動きが鈍っているので、ここで勝てないと次の衆議院選は非常に厳しい戦いになることが予測されます。

・北区は音喜多氏の地盤とは言われるが、音喜多票を支えていたのは女性票の要素が大きい。女同士の戦いになったとき、音喜多氏の地盤を引き継いだメリットが活かされるのかが未知数。
・吉村大阪府知事ブームが落ち着いて、6月は政党支持率が微減しているため、新たな広報戦略が必要。
・維新は小野氏を推薦し、政策協定を結んでいるため、都知事選のために本当に伝えたい政策を捻じ曲げる必要がない。
・東京全体で維新の議員は少なく、さらに都知事選で小野氏の応援に議員が取られるため、戦力的に厳しい戦いとなる。本人と民間人を主体としたボランティアのガッツが求められる。


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天風いぶき氏(都民ファーストの会公認)は、小池都知事の側近。宝塚歌劇団で男役をした後、当時衆議院議員の小池氏事務所に入所しました。小池都知事との連携を訴え、北区民の声を都政に反映しやすくすることを訴えます。あからさまな落下傘であり、とある情勢調査では現在4位。小池都知事による追い風はあるものの、「都知事選は小池さんに入れるが、都議選は別の人にいれる」という区民の声もしばしばです。小池ブランドで煙に巻かず、本人の魅力と地元民の協力でもって、北区民の信用をいかに勝ち取るが大事になってくるでしょう。

・佐藤氏や斎藤氏に比べると男性からのスケベ票を集めるのは難しいかもしれないが、宝塚男役ということで逆に女性票を集められるポテンシャルがある。
・日に日に激しくなる小池批判報道だが、一転して自民批判報道に代わると勝機が出てくる。
・公明党の動きによっては勝つ可能性も大敗する可能性もある。
・小池都知事は、街頭活動をする宣言をしておらず、都民ファをも含めた推薦もないため、北区で応援演説をしてくれる可能性は高いとは言えない。都民ファースト都議団や宝塚時代の仲間が応援の中心になると思われる。


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斉藤りえ氏(立憲民主党)は、筆談ホステスとして有名となりました。2015年の北区区議会選では音喜多氏の支援を受けてトップ当選。しかし、2019年の北区区議会選挙には出馬せず、参議院選で立憲から比例で出馬し惜敗します。耳が聞こえないため発声が良いとは言えず、本人の演説は単独では厳しいものがあります。だからこそ、他の有名議員の応援演説が重要になってくるのです。非左派の三陣営が三つ巴状態の中、共産党票を集めると意外に勝つ可能性はあります。実際に共産党の区議会議員は、斎藤氏を応戦していますし、そういう構図なのです。しかし、本当の問題は翌年21年の都議選であり、北区内では共産党が独自候補を擁立する可能性が高いため野党共闘になりません。それどころか、純粋な勢力図でいうと北区は立憲より共産の方が強いので左派同士で一騎打ちをすると負けるでしょう。この選挙で立憲は無党派の支持者を大量に獲得しないと厳しいのです。

・障害者を国会に送り込み、都知事選にも独自候補を立てたれいわ新選組の振る舞いは、無党派層の立憲に対する印象に影響があると思われる。
・山尾氏、須藤氏など国会議員が立憲から離党。一時期は政党支持率が維新に抜かされることもあり、立憲の組織力が弱まっている可能性がある。
・共産党との相乗りで立憲は宇都宮氏を支持。都知事選で有名議員のリソースをある程度抑えられるので、応援演説は盛り上がることが期待される。


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やまだ加奈子氏(自由民主党)は、北区区議会の議長も務めたベテラン区議。長い政治家経験から政策レポートのバランスが良く、国・都・区の連携を訴えます。落ち着いた実績のある人を選びたいというのであれば、普通にこの人に投票する区民は多いと思われます。四人の中でいち早く活動を開始し、体感値でいえば、都議補選関係者の中で一番多く北区内でポスターが貼られています。今回の都議補選では優位とされていますが、鬼門は21年の都議選です。3議席中2議席は、公明党と共産党でほぼ確定であり、事実上残りの1議席を争います。今回は公明党が都民ファーストに極振りしない限りまだ公明票があてになりますが、21年は公明票が全く期待できなくなるので、公明票を全く期待しないで戦っている維新がやや有利になります。今回の都議補選では優位であっても、無党派支持層を固める努力が求められるのです。ただ、逆風も吹いているので油断はできません。

・国会が閉会されると自民党を離党したての川井議員が立件され、自民党批判報道が増える可能性がある。
・自民党は都知事選でいかなる候補にも公認・推薦を出せなかった関係で、都知事選期間中(6月18日~25日)の政治活動ができなくなる。
・逆に26日以降、都知事選で人的リソースを割かれていない体力満タンの自民党議員が北区に押し寄せて、はいぱー応援状態になる可能性はある。

都知事選構図200618

そういった北区の情勢を踏まえつつ、都知事選の構図を見てみましょう。

大本命なのは小池ゆり子氏です。今回はいかなる政党の公認も推薦も受けませんでした。前回は、今の国民民主党に近い人たち7名および音喜多氏など都議3名という弱小体制だったにも関わらず、ふわっとした民意でもって、自公が推す増田氏に圧勝した訳で、政党支援が無くとも勝算はあります。今回は前回のような弱小勢力ではなく、実質的に都民ファーストの会、公明党、国政自民党が支援するのでしょう。

ただし、都議会自民党としては自民党一丸となって小池氏を応援する訳にはいきません。17年の都議会選のときに、小池氏率いる都民ファーストの会にぼろ負けにされたからです。また、都民ファとしても、自民党が小池氏とくっついたら、知事与党としてのアイデンティティが失われ、21年の都議会選のときにその地位が奪われる可能性が出てきます。挙句の果てには、北区の都議補選では、自民と都民ファが1議席を争っています。とてもではありませんが、自民と都民ファが一丸となって小池氏を応援できる状態にはないのです。小池氏がそういった事情に配慮したと言えるでしょう。

それか、川井氏の公選法違反問題などで自民党の支援を受けるのがかえってマイナスになると判断した可能性も少しあります。都議会自民党が国政自民党の反対を押し切って独自候補を立てられなかったのも、逆風の中で都知事選で勝つのが難しいと判断した可能性もあるでしょう。


次に注目すべき候補は小野たいすけ氏でしょう。元熊本県副知事。無所属で立候補を表明したところ、その日のうちに維新からスカウトが来ました。北区や大田区の都議補選のためにも維新は都知事選候補者を探していました。小野氏からすれば、熊本県知事が自民寄りであったため、本当は都議会自民党に担いで欲しかったのではないかなと、私個人は邪推してますが、東京維新のスカウトマン柳ヶ瀬氏のマーキング作戦「同じ高校のよしみ」が功を奏したのか、客観的にみて世間からは維新の人と思われてもしょうがない状態に仕上がりつつあります。世の中的には中道右派層が一番のボリュームゾーンであり、このうちの反小池層が票を入れると思われます。知名度が他の政党が担ぐ候補者に劣るため、有名人との対談作戦で知名度を上げようとしている模様です。

一方で左派は左派で盛り上がり、そして大混戦です。共産立憲社民が推す宇都宮けんじ氏。実質的に共産が主体的に支えており、北区や大田区の都議補選のために立憲がやむなく相乗りという形でしょう。ここにれいわの山本太郎氏が殴り込みをかけてきました。ある程度の財政を考えつつ弱者救済の宇都宮氏に対し、財政そっちのけでとにかく弱者救済の山本氏という構図に見えなくもないのですが、実質的には、「組織で結託する左派vsふわっとした民意の左派」という構図になります。


そして、北区都議補選5人目の候補者が登場!?(6月24日追記)
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