「宇崎ちゃん」のポスターに批判が湧く昨今、「表現の自由」問題で、安易な規制反対のビラ配りを手伝ったことはあるけど、『異種族レビュアーズ』というアニメは規制されても仕方ないと思います。MXテレビでついに放送中止になってしまいました。



このアニメ、実は私もアマプラでこっそり見てましたが、中々けしからん内容です。悪魔や妖精、モンスターなど様々な種族が共存する世界で、主人公一行は各種族の本番風俗店を体験しまくり、その店の良し悪しをレビューするというものなのです。小柄な種族である妖精と優勝する場合は、サイズ差問題を乗り越えられるのか?身体が文字通り燃えているサラマンダーとやれる勇者の条件とは?

このアニメ、単純に次の2点で問題を提起することでしょう。

①本番風俗店の存在そのものの是非。
②種族ごとにレビューする、レッテルを張るということの是非。

①本番風俗店の存在そのものの是非。
このアニメ、当たり前のように存在している本番風俗店ですが、日本国内では管理売春は違法ということになっています。海外でも国ごとに程度差はあるものの、売春に何らかの規制がかかっていることが少なくありません。そもそも論として、売春が何故悪とされるかといえば、

・風紀の乱れに繋がる
・貧困や搾取により強制的に売春させられている弱者の保護
・性病の蔓延に繋がる

の3点でしょう。まず青少年の教育に良くないとかの前に、風紀とは何かという抽象的すぎる問題もあります。何ならば、江戸時代の遊女は非常に粋な存在であり、文化の象徴とされることもありました。なので、風紀や風俗の乱れそのものについては、時代や時期によって左右されるものであり、議論のベースにはしづらいでしょう。

ただ、過去においては、貧困のために致し方なくは、売春をするという側面は確かにあり、これは問題であったと言えます。一方で最近の日本において、パパ活が流行しているとおり、自ら望んでするケースの方が目立つように思います。そういった点からすれば、人権屋が騒ぎ立てるべき問題とは言いづらいでしょう。(ただ、18歳未満との本番行為、厳罰化は賛成)

性病の蔓延は、ごもっともです。これについては、買売春を登録制にし、性病検査などを義務付けた上で合法化した方が良いと思います。そうした方が、アングラへの資金流入も途絶えるというメリットもありますし。

脱線しますが、性に関し、今の日本について思うのは、性教育が圧倒的に足りていないということ。大人だけが暗黙で知る禁則事項な訳です。学校の性教育では性病の防止と避妊ぐらいしか教えないし、その割にはコンドームの正しい選び方すら教えてくれません。2018年頃からは「性的同意」という言葉が真面目な界隈で流行りました。優勝行為をする際に、お互いに同意を取りましょうということですね。じゃあ、具体的にどうやって同意をとるのか想像つきますか?という問題があります。少なくない恋愛のマニュアル本とか読むと「酔った勢いで」とか、責任を回避できる言い訳を用意してあげるのが双方の為と結構書かれていますが、中々真っ向から対立しています。実践的なものについては誰も教えてくれないし、未経験の事柄については神聖化が進み、チャレンジするハードルが高くなります。風俗店を教育機関にするというのは、何か違う気がしますが、そういった本番を学ぶ場としての価値は0ではないと思います。

また、今の日本はむしろ、弱者だからこそ性体験から遠のく可能性もあり得ます。弱者の定義は様々ですが、今回の場合は、特定の身体障碍者もしくは魅力の少ない人ということになります。彼ら彼女らとて人間ですので、性欲は多少あるのでしょうが、非常に高度なマッチングが求められる現代社会において、発散させる相手がいないのです。そんな人たちが一生、三大欲求のひとつを封じたまま生を終わらせる社会を望むのであれば、合法化しない現状維持でしょうね。

そんな厄介な背景を抱えた「風俗店」をテーマにしているのだから、BANされてもしょうがないのかもしれません。


②種族ごとにレビューする、レッテルを張るということの是非。

性的な相手を品評するって、痴話話としてはサイコーに盛り上がる下賤なネタのひとつですが、品評される相手からすれば中々無礼な感じですよね。さらに厄介なのは、相手を個人でみるのではなく、天使族、悪魔族、獣人族、エルフ族、ヒト族など種族でレビューしているということなのです。異世界の異形の存在なので、設定上、本質的には問題はありません。何なら、むしろ多様性を謳歌していると言った方が正しいでしょう。

ただ、見方によっては、種族で差別をしているようにも捉えかねないので、広い意味での人種差別・人権侵害に見えてしまうことでしょう。ヒトじゃないのだけども。

ここで、コンテンツクリエーターに文句を言いたいのは、女性的魅力、メス的魅力を表現する際に、人間の女性的特徴を用いすぎであるということです。『けものフレンズ』『群れなせ!シートン学園』とか直近の動物系アニメにおいて、魅力的なメス動物のキャラクターを描くとき、「動物コスプレをしている女の子」みたいなキャラクターデザインになるのですよ。決して、『しまじろう』の女性キャラクターみたいにはならない。人間に寄せているキャラデザが、この問題を想起させるように思えてならないのです。まあ、私はケモナーではないので、しまじろう系よりコスプレ系キャラデザの方が好きではありますが。



以上のことより、放送中止はやむをえなかったのは理解できます。Twitterの話題上でも、よく放送にチャレンジしたとか、よく地上波で4話までもったなとか、禁止そのものを面白がっている節があります。というよりも作者ですら、アニメ化したのには驚いたとのこと。ひょっとしたら、むしろ規制されて話題になるまでが制作委員会のシナリオな気がしてならないです。 

追記:中止は仕方ないとは思いつつも、それでもこのアニメを地上波に流す出来ることができる時代が来ればよいなあと思います。