千葉県の台風被害に関わるボランティアに行ってきました。6時間弱作業しましたが、率直な感想としては、自分はあんまり役立てた気がしないというものでした。今回の件に関わらず、311、東北の震災ボランティアにも何度も足を運んだこともありますが、同様の感想でした。それはどうしてなのかを考えてみたので、まとめてみます。


千葉


【1】公的機関だからこその特徴
そもそも、災害ボランティアのニーズはどうやって見つけるのでしょう。基本的には各地の「社会福祉協議会」が設置する「ボランティアセンター(通称ボラセン)」というところで見つけることとなります。この公的機関にて、地域の需要とボランティアをマッチングさせているのです。

公的機関ということもあり、ボランティアには過度なリスクを背負わせるには行きません。ボランティアが怪我をした、怪我をさせたり器物をこわしたりした、ということを極力避けます。つまるところ、一般ボランティアに対しては、リスクと隣り合わせのエキサイティングな案件は、回すことがまずなく、無難な案件が中心になります。

とはいえ、これは当たり前の考え方とも言えるでしょう。助ける側が、助けられる側になるということは、余計な仕事を増やすということに他なりません。二次災害への対処というタスク増加はもちろんのこと、公的機関だとこれにクレーム対処・仕組みの抜本的な改革というタスクまで増加してしまいます。貴方の自滅が、様々な視点を持つ人達のクレームありがたいご意見や組織内部の再発防止しなきゃという自浄作用によって、様々な規制へと繋がり、そのために何百人の人が翻弄され、未来でできるようになることが大幅に減ることとなっても良い訳がありません。


【2】災害ボランティアはロースキルの人間ができることは少ない
災害ボランティアは、フェーズによって需要は変わってきます。医療資格や福祉関係スキルをお持ちの方は、フェーズに関わらず求められるかもしれません。また、フェーズ初期では、建築系・土木系スキルを持つ人達は重宝されることも多いでしょう。千葉県の風害に関して、本日時点においては、屋根にブルーシートを張ってほしいという需要が多く、危険を伴う高所作業のため、建築系スキルをお持ちの方は重宝がられます。

では、特にスキルのない人はどうでしょうか?軽作業が割り当てられることがあります。具体的にいえば、非危険箇所でのがれき撤去、掃除、救援物資の仕分け、駐車場誘導、ボランティアをサポートするためのボランティア、ルーティンな事務処理あたりです。基本的にボラセンで斡旋するボランティアは需要ベースのため、軽作業の需要そのものが少ないこともあります。一般ボランティアのやる作業は、あくまでもボランティアでありノルマはなく(というより来るのか来ないのか分からない人達の作業をノルマ化できない)、作業内容によっては拍子抜けするほど手ごたえがないと感じる人もいるかもしれません。作業内容によっては。


【3】自然の偉大さと個人の無力さに直面する
本当にヤバい災害というのは、ぶっちゃけ言うと個人の力ではどうにも対処しようがないことも多々あります。家が倒壊したとして、個人でその周辺のがれきを集めたとしても、倒壊した建物本体をどうにかできる訳ではありません。重機とかでガガガと一気に片づけてもらう他はないのです。一個人の数時間程度の作業など、大自然に比べると本当にちっぽけで無力なものだと実感します。この無力感も、災害ボランティアをやっていて、やりがいを感じない理由のひとつです。

被災して根本的な欲求は、インフラの復旧早くして、安心して住める場所が欲しい、保険金や公的支援金が早く欲しい、仕事が欲しい、といった感じですが、法人や行政レベルじゃないと太刀打ちできません。本当に個人というのは無力なものであり、みんなで動く必要があります。



【4】地域の問題は、地元民にはかなわない
貴方は中間管理職とかチームリーダーとかを経験したことがあるでしょうか?なったことがある人なら、理解できる感覚だとは思いますが、本当に欲しいのは単純労働者よりも、ブレインとなって自動的に的確に情報を処理し判断を下せアウトプットできる人が欲しいです。一般ボランティアに自動的に情報処理し判断を下しアウトプットしてもらうのは、機密情報の管理や権限・責任の問題、慣れの問題からハードルが高いです。ただ、的確な情報処理なら多少はできることもあるでしょう。

災害直後のボラセン事務所内は猫の手も借りたいほど忙しく、事務仕事を手伝ってもらえるだけでもありがたい場合もあります。例えば、電話受け。しかしながら、電話してきた相手の住所を確認をする際、地名を知らないと聞き取れないということは多々あるでしょう。今回の千葉台風のケースでは、市外のボランティアを受け入れないところが多いようですが、そういった地元民なら当たり前のように分かるけども、市外の人には分からないことに対応するという意味もあるのかもしれません。また、地域復興の大事な鍵は、地元民の自発的・継続的な努力です。外部の一見さんのボランティアに頼り過ぎても、安定しないのです。



以上、災害ボランティアは、やる側のやりがいを満たさない理由を書いてみました。そもそも論として、ボランティアは困っている人を的確に助けるための事柄であり、させて頂くものです。貴方の何かやらなきゃという欲求を解消するためのものではありません。それでも、なにかやらなきゃという衝動と、絶対にあの人たちの笑顔を取り戻すという意地みたいなものがなければ、務まらないのもまた事実なのです。

そこまで意識高くないけど、何かしなきゃと思う人は、とにかく継続的にお金を落とすことだけ意識しましょう。多分、今回の千葉はまだそれどころじゃないでしょうが、今すぐできることは、東北や九州でのかつての被害地域に旅行に行ったり特産品を買ったり、継続的にお金を落としているかの振り返りではないでしょうか?そして、もうしばらくたったら、千葉県に沢山遊びに行ってやってください。