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6年ぶりに中国・北京に行ってきました。ビジネストリップではなく単なる余暇旅行です。といっても観光地に行くでもなく、現地に住む知人に会ったり、ひたすら現地のマッサージ漬けになったりするぐらいです。昔住んでいた地域に、久しぶりに行くと浦島太郎状態でした。数年前と比較して驚いたこと一覧。

・空港の入国審査に指紋登録登場。
・空気がメチャきれいになった。(とはいえ東京には劣るが)
・川とか道路とかの悪臭が大分消えた。
・北京の地下鉄でいい匂いがするようになった。(以前は化粧文化が普及していなかった)
・馴染みの店が沢山消えた。
・街中に監視カメラが増えた。
・スマホ決済ができないと辛い。


特に注目に値するのは、スマホ社会だということですね。これについての旅行者視点からの所感を書いてみます。

数年前は、私は中国は日本人にとって最も旅行しやすい国のひとつだと思っておりました。例えば、旅行するには言語的ハードルがあります。英語はそれほど通じませんが、漢字で筆談する分には意外と何とかなることが多いのです。中国では庶民レベルになると英語は通じませんが、どうせ日本人旅行者の大半だっておあいこですからね。

しかし、現在のスマホ社会では、旅行の難易度が大きく上がったように感じられます。特に通貨的ハードルは、貧乏旅行者にとっては致命的かもしれません。

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現在、中国では、支付宝(つーふーばお、Alipay、アリペイ)と微信(うぇいしん、WeChat、ウィーチャット)という2大決済アプリが大流行しています。これらが無いと、庶民の生活レベルにおいては、かなりの経済活動が制限されるのです。例えば、小規模の飲食店では、レジの代わりにバーコードが置いてあり、自分でこれらの決済アプリでバーコードスキャンによる支払いをしないといけません。現金を嫌がるのです。

しかもこれらのアプリの決済機能を使うには、裏技を使わない限り、「中国国内の銀行口座(中国国内に住所と電話番号と相応のビザが必要)」と「銀行口座に登録した電話番号でSMSを受信できる状況」が必要になります。微信(うぇいしん、WeChat、ウィーチャット)は、日本でいうところのLINEみたいなものなので、中国人の友達がいる日本国内居住者でもダウンロードしている人はいますが、上記条件を満たしていない人は、決済機能が表示すらされない仕様になっているはずです。つまり、現段階において、裏技を知らない普通の外国人旅行者にとっては、スマホ決済機能が使えません。

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とはいえ、安心はしてください。真っ当な外国人旅行者(つまり貧乏ではない外国人旅行者)が行く範囲のホテル・レストラン・大型店舗・マッサージ屋・土産物屋であるならば、現金やクレジットカードは普通に使えます。

ここまで脱現金化が普及してしまうと、貧乏旅行者は中国に来るな、貧乏な人たちが行くような場所で買い物するな、見栄えの良い立派な場所で買い物をしろという状況であるとも言えます。貧乏という言い方には語弊はありますが、少なくとも、現地の方々と同じようにリーズナブルな場所で買い物をさせてくれる人権はありません。暗黙で行動の制限を課せられているのです。

中国は、行動の制限や監視は、以前より大分強化されたように感じます。決済アプリによって、現金の流れはデータ化されています。また、大通りだと数十メートルごとに監視カメラが設置されています。

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中国のアプリについては、他にも色々便利なものがあります。例えば「DiDi」。タクシーの配車アプリです。まあ、無きゃ無いでも、道端で手を広げれば、タクシーを止めることはできますがね。日本ではタクシーを止めるとき手を上げますが、一般的な他国では、塞き止めるように片腕を道路に向かって広げます。

他には「mobike」。指定されたパーキングに停めてある自転車をレンタルすることができます。自転車にはGPS機能があり、街中のどこに乗り捨ててもOK。街中に乗り捨てられている自転車が多数。これはこれで景観が微妙。なお、日本のアンドロイド端末では、中国の現地にてセキュリティの関係上、アプリのインストールができませんでした。


ちなみに中国ではGoogleが禁止されているため、「Playストア」にアクセスできません。そのため、各企業の自前のサイトからダウンロードするらしいです。

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さて、万が一、日本国政府関係者や決済アプリ事業者の人がこれを見ているのなら言いたいのですが、決済アプリのドメスティック化は辞めた方がいいです。日本国内に住所がある人だけが使える決済アプリ(日本国内の銀行口座に依存しているアプリ)は、外国人旅行者にとって買い物のハードルを上げることになります。クレジットカードやPayPalぐらいのワールドワイドな展開を是非ともしてほしいものです。というよりも、ただでさえ、空港の両替所とかでの儀式が面倒なのに(私はATMでの海外キャッシング派)、訪問国ごとに決済アプリをインストールして、しかも使いこなさないと買い物できないなんて地獄でしかない。

まあ、日本国民に対して非現金化を推奨して脱税がないかを細かくチェックし、外国旅行者に対しては日本の美しい姿を体現している店舗以外では買い物をしてほしくないというのであれば、話は別なのですが。