今年も、某中学校で、中学生達に、座談会形式で仕事についての話をしてきました。前の記事(シナリオA)では私の前職に興味を持ったグループ用のトークスクリプトですが、こちらでは現職であるセキュリティーアナリストの話をまとめました。とはいえ、「セキュリティーアナリスト」だと、中学生に馴染みがなさそうなので、映画では御馴染みのハッカーの対極に位置する「ホワイトハッカー」とここでは呼ぶことにします。

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それでは、セキュリティーアナリスト改め、ホワイトハッカーのお仕事について話します。


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皆さん、インターネットを使っていると思いますが、ネット社会って実は結構怖いのです。LINEを使っていると突然、お金持ちのカッコいいおにーさん、美人のおねーさんと友達になろうよと怪しいお誘いが来ます。あと、オトナなサイトを見ているときに、「突然パソコンが壊れました」と警告文が表示されたり、支払い請求が表示されたりすることもあります。それらは、ひょっとしたら詐欺かもしれません。


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そんな詐欺やら、パソコンへの攻撃、あるいは貴方の秘密を暴くような行為から守るお仕事が、ホワイトハッカーです。貴方と友達の秘密のLINEトークを盗み見られて、世間に暴露されてはたまったものではありませんよね?ましてや、貴方のスマホから、友達の秘密が流出したら、その友達からは軽蔑されます。企業も同じように、自社商品の秘密や、お客さんのプロフィールとかを沢山抱えています。そういった大事な情報が流出すると、お客さんからの信用を失ってしまいますので、わざわざお金をかけて情報を守るのです。

さて、ホワイトハッカーのお仕事は大きく分けると3つあります。
まずは「悪意のある攻撃」を発見し、分析することです。通信の様子を確認して、これはヤバいのかどうかを判断します。ヤバい場合は、攻撃を防ぐ処置をしたり、被害状況を確認したり、関係する人に注意喚起します。

他にも、攻撃されても問題が無いように防御する機械の導入をしたり、そのメンテナンスや調整をするのも大切な仕事です。


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では、実際、インターネット上にはどんな脅威があるのでしょうか?この画面はAmazonみたいな通信販売サイトです。

法律上、通販では、店舗の情報を書かなければなりません。しかし、この画面には店舗の住所が大阪府平野区までしか書かれていません。これ、結構怪しいのです。何かやましいことがあるのです。こういうケースのサイトは、フィッシングサイトと呼ばれています。通販ですので、お客さんは住所とか電話番号とか入力するのですが、そういった情報を悪用される可能性があります。また、お金をうっかり支払うとさあ大変、商品が届く訳ありませんし、お金は戻ってきません。


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じゃあ、どうしてこんなお仕事を始めたのかと言いますと、どんな仕事をしようか、どの会社に入ろうか迷っていた時、たまたま声をかけられたからです。IT系のお仕事は人手不足でして、頑張れば稼げる可能性はありますし、必要に迫られてWEBサイトを作った経験からITには興味がありました。


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さて、ホワイトハッカーになるためにはどうすればいい?という話です。
まずはネットワーク、つまりパソコンの配線や通信に関する知識が必要です。CCNAという資格があるのですけども、半年ぐらいみっちり勉強する必要はあります。資格が無くてもできる仕事はあるのですが、給料の安い仕事しかありつきづらくなります。他にも技術系というと、WEBサイトやアプリのソースコードつまり設計図を読み解く力も必要になってきますね。

それと、何よりも大事なのは、倫理観、正義感です。仕事をしていく中で、お客様の大切な情報を沢山目にすることがあるでしょう。そういった秘密を自分の中に抑え込み、悪と戦う毅然とした心持が必要となります。


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さて、中学生がホワイトハッカーを目指すには、何をすればよいのでしょうか?
まずは、インターネットを好きになって下さい。技術的な仕事というのは特に、学校を卒業しても勉強の継続が必要になります。この仕事の場合、技術的なことから、流行のトレンドまでインターネットの常識力みたいなものが問われます。どうせ勉強するなら、好きなことを勉強する方がいいでしょ?また、結構集中力が必要となりますので、部活をして体力をつけておくことをお勧めします。

お勉強の話をしましたが、数学は大事です。特にプログラミングの道を究めたい人は、勉強しましょう。先ほど、法律の話をちらっとしましたが、そういった分野は公民ですね。法律に限らず、社会常識を効率よく学べますので、IT系に関係ない人でも学んでおいた方がいいでしょう。

あと、英語はとても大事。海外製の機械を導入するとき、英文と格闘することがあります。また、古典にも通じることなのですが、プログラミングというのはいわば言語なのです。古文そのものは現代社会に一見役に立たないように見えますが、言語を覚える訓練として勉強してみると、実は結構有意義なのです。ついでにいえば、数学も一種の訓練ですね。社会に出るとやったことが無い仕事を次々振られて、やり方を覚えて対処していくことがよくあります。数学の場合は、新しいタイプの問題の解き方をまず授業で覚えて、テストで対処していきますよね?そんな感じで、お勉強がんばりましょう。

用意してきた資料は以上ですね。では質問タイムにうつりまーす!



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この企画を通して思ったのですが、今どきの中学生、結構ITに詳しいですね。中学生で、Word、Excel、PowerPointを勉強するのだそうです。簡単な関数も入力できちゃうんだそうです。さらに驚くべきは、9割以上が、通販サイトAmazonを知っていたということ。

私が中高生のときは「情報」の授業もなかったので、家で遅い回線のインターネットをポチポチいじりつつ、大学の授業で初めてPowerPointでプレゼンをさせられて悪戦苦闘したものです。そもそも同世代だとvlookup何それ?SUM関数なら使ったことある・・・みたいな人結構多いですからねぇ。時代は変わるものだ。