非営利組織を運営する際、立ち上げ期の最初だけ顔を見せて、数か月後に消えちゃう人がいます。スタートアップのお祭り騒ぎの時期、炎上期だけ加担して、物珍しさがなくなる頃にはいないのです。心の中で私は「炎の人」と呼んでいます。

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ぶっちゃけた話をしますと、長い期間踏みとどまっているコアメンバーの一部からすれば、炎の人に対して「ナント薄情な」という気分にもなるのが事実です。ただ、いくつかの中長期(半年以上10年未満)の活動をしている非営利団体の変遷を見ていると、炎の人の存在は重要だと思うようになりました。

炎の人達が抜けていった、灰のような状態の段階にいるコアメンバーを私は内心「土の人」と呼んでいます。熱さがひと段落し、組織の基盤固めというか、制度やノウハウ固めの段階に入ると、残ったメンバーというのは割と責任感の強い人が多くなるのですよ。 ただ、土の人たちの致命的な弱点は、拡散力がとても弱いことなのです。

メンバーの追加募集、クライアント(活動利用者)の募集、支援者の募集でかなり苦労します。実際、土の人たちに魅力がないからという訳では無く、土の人達は、元々炎の人の周囲にいた人間です。炎の人達の周りは既に感化されていて、動く人はとっくに動いてしまったし、その団体に興味のない人は興味がないと判断を下しました。近辺の市場は焼き尽くされました。それは同時に、土の人達の周りの人たちも既に焼き尽くされていることを意味します。

土の人たちは、ノウハウを固めるのが得意なので、炎の人たちが使ったやり方を踏襲し、明文化した形で再現しようとするでしょう。しかし、それは火の人の周りで焼き尽くされたエリアにしか影響力がなく、やってもやっても効果が薄いのです。人の募集がうまくいきません。運が良ければ、今までタイミングが合わなくて参加できなかったけどようやくタイミングがあったので加わりたいという人とか、炎の人達が新しく発見した人脈の一部が興味を持つぐらいでしょう。


そういった意味では、炎の人たちの瞬発力というか、無の状態から一気に大まかな形を作り、周囲を熱狂させる力は実に偉大だったことに、土の人達は気づかされます。ただ、抜けかける炎の人達を無理に引き留めようとしても、次のいずれかで、続けられない事情というものがあります。


・リア充パリピ気質なので、ライフステージを先に進めやすく、最終的に家庭に閉じ込められる
・リア充パリピ気質なので、予定がすぐに埋まるが、たまたま初期だけタイミングが良かった
・同じことを地道に続けるのは飽きてしまい無理で、別の分野を新規開拓している
・良くも悪くもアグレッシブであり、その攻撃性から人間関係が長く続かない


ではどうすれば良いか?
・偶然の巡り合わせを祈り、同じやり方でメンバー募集を続け、新人種「風の人」を捕まえる。
・全く違うノウハウを考えてメンバー募集をし、ピンポイントで新人種「風の人」を捕まえる。

時代を変えるのは、「若者、よそ者、馬鹿者」です。風の人はまさにそういう形で、組織をかき乱してくれます。ただ、風の人は単独では何もできません。土の人が安定化させた土台があるからこそ、かき乱しても大丈夫なのです。例えるならば、学校を卒業したばかりのイケイケでコミュ力が高いだけの人が売り物が無いと1円も稼げないように、安定した商品の供給があって初めて営業職として活躍できるのです。

あともう一つやり方があるとすれば、

・人脈を広げパワーアップした炎の人達を再度焚きつかせる。

辞めていった人たちを邪険に扱うのは無しで、緩く付かず離れずの関係を維持するのに越したことはないでしょう。何せ、一番事情を分かってくれる盟友でもあるのですから。

まあ、これが非営利活動ではなく、仕事だったらまた違うのですけどもね。ただそれでも、連続起業家気質の人(0を1にする)、ベンチャー向け人材(1を9にする)、大手企業向け人材(9を10にする)と、人によって気質は違いますが。