世の中には、人前に出ることを嫌ったり、「みんなで〇〇する」という言葉に疑念に思ったりするような地味に生きることを好む人たちがいます。その一方で、1、2か月先のプライベートの予定がほぼ埋まっており、四六時中結婚式やらイベントやらの幹事側に立つような派手に生きることを好む人たちがいます。

実態として冷静に考えれば、好む好まざるを関係なく、世の中、地味に生きる人が大半で、派手に生きる人も案外部分的に派手なだけであって、蓋を開けてみれば基本的には結構地味という人も多いでしょう。そういった人口割合とか関係なく、地味に生きること、派手に生きることを考察してみたく思います。


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まず、地味に生きることのメリット。端的にいえば、敵を作りづらいということです。敵という存在は、自分の地位を脅かす可能性のある存在であり、その人に対応するだけでも精神力を必要とします。敵を作りやすくする要素としては、性格や言動が悪いということを別にすれば、金持ちである、異性にもてる、自由がある、何かの能力に秀でている、若い、周囲に慕われている、楽している、漠然と運がいい等、要するに羨ましいと思わせること全般が、どこかの誰かの敵対心を煽るのです。一見すれば多くの人に慕われる要素もありますが、「慕われている人が嫌い」という人もいますからね。

地味に生きるということは、羨ましがられる要素が無い為致し方なくという場合もありますが、仮にお金を持っていても持っていないふりをする、ある分野の知識に長けていてもあえて知らないふりをするといった形で、敵意や面倒ごとの標的にならないように隠れるということもあります。労力・費用・時間でコスパが良いです。



では一方で、派手に生きるメリットとは何なのでしょうか?敵対心を煽る要素満載の派手な生き方ではありますが、確かに羨ましがられるというのは気分が悪いものではありません。また、人生は短しと焦燥感に駆られ、回遊魚のように動き回っていないと不安になるという人もいるかもしれません。ただ、気分の高揚感だけで派手なことをする人は、本質的な恩恵を受けていないと思われます。

派手に生きることのメリットとは「錯覚資産」に繋がるということです。簡単にいえば、相手を勘違いさせる力、実力以上に実力を見せつける力です。例えば、自分の小学生の子どもに家庭教師をつけるとしたら、同じ教える力があったとして、東大生か三流大学の学生のどちらにお願いしたいですかね?別にこれは、見た目、財産、学歴、地位などのスペックの話だけに限らないです。その昔、私の知人に恐ろしいほどモテた魔性の女友達がいました。そんな彼女を当時射止めたのは男は、さほどイケメンという訳でもなければ、酒に費やし金もなく、荒唐無稽なビッグマウスでいい加減。何故、その男なのかと聞いてみたところ、「自分をどこかに連れて行ってくれそうな気がして」とのこと。そういうポテンシャルを感じさせる錯覚があった訳です。

このほか、能力でも、見た目でも、言動でも、何かしらの錯覚資産がある人は、何かしらチャンスを得られやすいです。そして、チャンスを得られると今度は経験を得られるようになります。業界によって転職活動においては、資格よりも経験を重視されることが多いですが、経験があるということは更なるチャンスに恵まれやすいということです。元々能力が同じ二人がいるとして、錯覚資産無しにスタート時点に留まっているAさんと、錯覚資産によって踏み出して経験を積んでいくBさん。数年後、Bさんの方が、圧倒的に実力をつけているのは言うまでもありません。周囲に自分を演出しつつ、派手に生きるというのは、ひとつの生存戦略なのです。

話を戻しますが、派手に生きるということは、魅力的な存在である、忙しく動き回っており有能だ、あちらこちらに顔が利くなどと周囲に期待させるものがあります。そのため、ますます、お声がかかり、地味に生きている人には到底届かないチャンスに恵まれることでしょう。

とはいえ、錯覚資産というのはあくまでもはったりであって、本当に実力がある人から見れば、その化けの皮は簡単にはがれる訳ですよ。実力がない人が無能さを見透かされつつ、周囲から賞賛されていた場合は、やはり負の感情の眼差しは避けることができませんね。忙しそうに振る舞っている人に対しては、本当に有能で仕事が舞い込んでいるか、胆力が無く薄情であちらこちらに渡り鳥をしなければ無能がばれてしまうのを恐れているだけなのか、しっかり見極めなければなりません。あと楽していると敵視されないように、「コツコツ努力している」みたいな発言をして自己防衛するカリスマの人も存在していますが、そういう発言こそ目ん玉を黒くして真意を確かめないと、雰囲気に流されてしまうこともありますので要注意です。

ついでにですが、ふろむだ氏が提唱した「錯覚資産」についてもっと知りたい場合は、下記の本、『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』を読むのをお勧めしますよ。