副業とか、複業とか叫ばれ始めているこの時代、「パラレルキャリア」という言葉があるのをご存知でしょうか?そもそも、キャリアとは何かという話ですが、厚生労働省の定義では『時間的持続性ないしは継続性を持った概念』とされています。一般的には、「職業として中長期的に積み上げているスキルと実績」とでも言えば、分かりやすいでしょう。パラレルというのは和訳すれば「平行」ということですので、パラレルキャリアとは「同時進行で積み上げていく職務実績とスキル」ということになります。

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先日、自身も多数の活動を同時にこなしている高村エリナ女史が「パラレルキャリアのはじめ方、広げ方」をテーマとしたイベントを開いていました。そこで話し合われたことを加味しつつ、私自身の体験も交えて、パラレルキャリアに対する考察をまとめてみたいと思います。



そもそも論として、ググって、この記事に辿り着いた人というのは、現状、閉塞感に悩んでいると思われます。多分、次の5つのうちのどれかでしょう。
・現在、安定したサラリーマンをやっているけど、漠然とこのままでいいのだろうか?
・今は会社で仕事をこなしているけど、会社を辞めたらこのままでは生きていけない気がする。
・仕事をしていても成長している実感が湧かない。
・時代は副業と言われていて、何となく焦る。
・今の仕事が社会の役に立っているように感じられない。


ただ、高村女史のイベントのゲストたちの話を聞いていると、複業している人の実態は、必ずしも上記のお悩みを解決するように思えませんでした。

【パターン1】目の前の仕事を一つずつ丁寧にこなした

学生時代、エクセルとかのデータいじりのバイトを丁寧にこなしていたら、知り合いからお声がかかり、次々評価されて、IT絡みの様々な仕事がひとりでに同時並列で舞い込んだとのことです。

ここでのポイントというのは、「学生のバイトレベル」という敷居の低い仕事を丁寧にこなしたということ。その仕事を丁寧にこなし、着実にレベルアップしていること。そして、そういった仕事をやっていることを周囲に言いふらすことでしょう。

【パターン2】生きていくためには手段を選ばない

単純に金銭的余裕がない状況では、四の五を言っている暇はありません。「パラレルキャリア」なんて意識する前に、自然と仕事を掛け持ちしてしまいます。

若者によくあるパターンとしては、やりたい夢を本業とし、稼げる仕事を別に持つということです。アート活動を継続したい、お金だけが全てじゃなくロマンのある仕事をしたい、・・・理由は人それぞれです。ただ、本業を花開かせるための過程と位置付けるなど、何かしらの方向性を見出さないと、このやり方をずっと続けるのはしんどいでしょう。

【パターン3】複業として活動した方が効率が良かった

ベンチャー企業で働いていた人が、仕事で高い成果を出し、顧客に認められる。顧客からはさらに様々な要望が来るけれども、自分の所属している企業として活動するには限界がある。そのため、会社と切り離して、個人で顧客の問題解決に挑む。こういったやり方で、仕事の幅を広げる模様です。

これには、幾つか条件があり、そもそも論として副業・複業OKの会社かどうか、「自分が顧客と好き勝手にやっても社内で問題にならないぐらいの地位(信頼)」を築き上げているかどうかが問われます。まあ、普通のお堅い会社であれば、職権を超えお客を奪う行為として、懲戒免職になるかもしれません。ちなみに、イベントでこのパターンに当てはまったスピーカーは、創業メンバー3人中の1人であり、自分で意思決定できる経営者に近い立場でした。



・・・ここまで読むといわゆる自分を普通のサラリーマンと思っているような人には、パラレルキャリアは無理ゲーに感じられるかもしれません。ぶっちゃけ言えば、無理だと思う人には、やっぱり無理だと思います。上記のパターンは、お勤め+個人事業主の並列であり、個人事業主的なセンスが求められるからです。つまり、自分をいかに売り込むかということです。常に自分は●●ができると周囲に言いふらす。今のスキルだとちょっとキツイかなと思う仕事の話でも、一旦持ち帰って一夜漬けで猛勉強し、したり顔で引き受ける。自分の路線と違う仕事は断る。個人として活動するというのは、営業力が必要なのです。

おそらく、この記事を読むような人というのは、パラレルキャリアとはいえ、正社員+アルバイトの状況を求めている訳ではないでしょう。アルバイトみたいな感じで働かさせられている感は嫌だ、個人で営業なんかしたくない、今は特段何かスキルがある訳でなくこれからスキルを伸ばしたい、一人でやるのは心細い、そもそも勤めている会社には副業規定があった。人には色々と事情というものがあります。

それらの事情を抱えながらも、閉塞感を打破したいというのであれば、ボランティアとかNPO法人・非営利団体の運営とかはいいかもしれません。高村女史の場合は、NPO活動でパラレルキャリアを踏み出しました。速攻で収入アップにつながる訳では無いですが、スキルアップ、人脈作り、社会貢献もしくは生産的な趣味をしている高揚感などに繋がります。それにそういった団体は、人格的に問題が無い人であれば基本的にウェルカムであることが多いです。

自分は●●ができるというものが無い人は、基本は0からの下積みな訳ですが、転職とかではよほどハッタリがうまくないと、採用されません。下積みすらやらせて貰えません。いかにキャリアの第一歩を踏むかは問題なのです。ちなみにボランティア労働でスキルを磨くのは、交通費を除けば経費プラマイ0ですが、学校とかでスキルを磨くのは、学費がかかります。そういう風に考えると或る程度までならば、無報酬労働、つまりボランティアも悪くはないものですよ。まあ、オリンピックボランティアは或る程度の度を超えているとは思いますが、その辺りの判断というのは、経費削減故の無償奴隷労働なのか、やりたいことの為の手弁当なのかのスタンスの違いでしょうね。