自営業時代の前職、報酬の支払いが滞っている取引先の企業があり、定期的に連絡しているのですが、先方はここ半年沈黙したままです。最近内容証明郵便を送りましたが、このまま反応が無ければ、ぼちぼち訴えてやろうと思っている今日この頃でございます。

さてさて、先日、プロボノについて語り合う会合とやらに行ってまいりました。プロボノとは、職能スキルをボランティアなど社会に活かすことを言います。もっと身も蓋もない言い方をすると、企業で働けば時給が発生するような労働をボランティア団体などに無償で提供する活動です。それを語り合う会合での話を聞き、プロボノはやっぱり面白いなと私は思いました。

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という訳で、今回はそのイベントで話し合われたことを踏まえつつ、「プロボノ」と「ブラック企業の未払い労働」の違いについて、考えてみます。

【1】プロボノはパラレルキャリアの育成に繋がる

そもそもプライベートの時間を費やし、なぜ仕事っぽいことをするか、という話ですが、理由のひとつはキャリアの育成のためです。キャリアの育成というと、本業でやれという話になるのですが、特に会社員の場合、自分のやりたい仕事をするのは難しいものです。上から命じられる仕事は、できる仕事か、できる仕事から派生した仕事がほとんどであり、大胆な方向転換への挑戦は中々させてもらえないでしょう。

一般的に、新卒のポテンシャル採用を除くと、未知の分野への転向というのは中々難しいものです。転向するにしても、実績という根拠が必要になります。ましてや、フリーランスになる場合は、お客さんに信頼してもらうためにも実績は尚更必要になるでしょう。プロボノは、「能力的に未知数けどやってみたい仕事」に挑戦するとっかかりとして、適しています。

一方で、給料を払わないもしくは超低賃金のブラック企業でも「やりがい搾取」という形で、やりたいことをできることもあります。問題なのは、それが生活の主幹であり、やがてお金が無くなってしまうことです。その状態でさらに、努力が報われる見込みがないとき人生が積みます。プロボノの場合は、本業と同時並行で行いますので、収入は維持できます。さらにその上で、未知の分野でスキルを積む経験ができるわけで、むしろ未来の可能性は広がるでしょう。この二刀流のキャリア観を「パラレルキャリア」と言います。


【2】プロボノは無償であることそのものに意味がある。

今の時代、「副業」「複業」がやたらと叫ばれています。しかし、実態として、正社員に副業を認める会社というのは少数派です。社外で仕事っぽいことに関する経験を積むというのは、中々難しいものがあります。そういう意味では、プロボノというのは、仕事っぽくはあるもののお金が発生しないという意味で仕事ではないという見方もできるのです。少なくとも、副業禁止規定に引っかかる類ではないでしょう。つまり、無償であることそのものに意味があります。

一方で、未払いのブラック企業というのは、お金を支払わないことに関して、労働者に何のメリットも意味も提示できていません。むしろ、労働者側からすれば、それが本業の筈であり、本業で稼げてないのはまずいでしょう。


【3】タダで動いて頂くことに対する配慮

社会人というのはくっそ忙しいです。そんな中、貴重なプライベートの時間を費やして、労働力を無償で提供する訳です。これは結構重要な意味を持ちます。つまり、無償労働を受ける側としては、プロボノ人員に対して、感謝と配慮の気持ちが必要になるのです。プロボノ人員の本業が忙しくなったときに、融通を利かせる配慮は少なくとも必要になります。言い方を変えれば、お互いを強制できないということです。そういった意味で、この界隈でマネジメントをする人はメッチャ優秀でなければ、組織を瓦解させてしまいます。マネジメントは権威を盾にして、命令するだけに非ずなのです。

だからといって、理不尽では無い状況で、プロボノ一般人員である本人が自分から「やりますできます」と言ったにも関わらずバックレするのは、プロボノとか仕事とか以前に、人間として問題がありますがね。それと「タダで働いてやってるんだ」と上から目線の人も、この界隈には居づらいでしょう。以前、そういった面倒なおじさまが「手伝ってやる」と言ってきて受け入れ側である私も対応に困りました。

一方で、ブラック企業と労働者は、業務として契約しており、拘束力や強制力があります。労働者は企業の提示する仕事に応えなければなりません。問題は賃金を払わない企業側にある訳ですが、だからといって辞職やストライキでもない限り、労働者の方から先手を打って職務放棄するわけにいかないでしょう。


【4】プロボノに関わる人は人間的質が良い

社会を良くしようとか、自分のスキルアップのためとか、プロボノ界隈に集まる人というのは、比較的意識が高い人が多いです。そういう人達に囲まれるのが好きな人には、居心地のいい界隈だと言えます。プロボノ参加者の一部は、そういった良質な人的ネットワークを目的に参加する人もいるのです。

一般的に、人脈づくりのために集まる人達の中には、ナンパや怪しいビジネスの勧誘を狙う人も一定数紛れこんでいるのが相場なのですが、プロボノ界隈では割合としてはかなり少ないように見受けられます。単純に欲に目をくらんだ人たちからすれば、労働力を無償で提供するなど理解し得ない世界ですからね。まあ、自営業者が自分のスキルを宣伝のためにスキルを使うというぐらいの下心は、あってもバチは当たらないと思いますが。

ちなみにブラック企業に勤め続ける人の場合は、人間的質は必ずしも良いとは言えません。何故ならば、理由はひとそれぞれとはいえ、転職せずにその場に留まっているためです。義理などに囚われて柔軟性が無いのか、転職できるほどのスキルが無いのか、視野が広くないのか・・・。




そんな訳で、プロボノは、人生を良くする選択肢のひとつだと言えます。
ちなみに、そのイベントでのスピーカーは「ヨガや英会話を趣味で習ったら1コマ3000-5000円かかるけど、プロボノなら無料(※自分が主体的にやる場合は実費が必要ですが)。スキルを伸ばせて、人から感謝されて、友達も増えて、いいことしかないのに無料。こんなに金のかからない趣味はない!」と言って、反響がありました。確かに世の中において、消費する趣味ばかりが乱立していますが、プロボノはそれらとはまったく別のポジティブな趣味とも捉えれますね。

プロボノに興味がある人は、「パラレルキャリア支援サイトもんじゅ」や「a-con」あたりの団体を調べてみればいかがでしょうか?