政党の統廃合、議員の会派離脱などがニュースを騒がしている昨今。裏切りとか不義理とか、散々横行しているようです。

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自分の信念を捻じ曲げなければ賛同できないような組織からは抜け出して良いとは思います。私も、これまでの仕事で、会社都合退職、自営廃業と色々経験してきましたが、関係者の不義理というのは、辞める決断には非常に重要な要素となりえました。裏切られるようなことがあっても納得できるものでしたら、案外手を引くことに対して煮え切れないものです。

というわけで、今回の記事のテーマは「裏切り」です。裏切りにも、正しい裏切りと悪い裏切りがあります。私の人生のバイブルのひとつであるマキャベリの『君主論』より、正しい裏切り方について考察してみましょう。

【1】残虐行為は1度まで


もし悪についても上手にということが許されるならば、自らの地位を安全ならしめる必要からそれを一度用い、その後はかかる行為を常用せず、可能な限り臣民の利益の庇護へと統治方針を転換する場合と言えよう。

第8章「極悪非道な手段によって君主となった場合について」

つまるところ、恐ろしいと思わせるのは、一度だけでいいのです。というよりも、その一度の行為で恐ろしいと思わせなければならない。同じ相手に対しては、その切り札は1回までしか使ってはいけないのです。

逆に何度も残虐行為をしてしまうと、残虐という名のレッテルが貼られてしまいます。また、尊敬されなくなり、ヘイト(反発分子)が溜まっていくということにもなります。

【2】ケチであれ



けちであるという評判の立つことをあまり気にするべきではない。さもなければ(気前のよさを維持するための財源の確保のために)臣民から財産を奪ったり、外からの攻撃に対して防衛できなかったり、貧困になって軽蔑されたり、強欲にならざるを得ない破目に陥ったりするからである。

第16章「気前良さとけちについて」

気前が良いというのは、その体裁を維持するために様々な犠牲を払う必要があります。現代政治でいえば、ばら撒きをするために税金上げるよと言っているようなものです。そりゃあ民衆も怒りますわな。

ただ、例外的に気前よく振る舞ってよいこともあり、それは敵地から財産を奪った場合です。この考え方は、現代の一般企業でも、基本給を少なめにし「業績賞与」という形で支払うということに似ています。会社側からすれば、給料を払いすぎて倒産させてしまうのは本末転倒ですからね。


【3】新参メンバーへのえこひいき


新しく君主になった者がその臣民を武装解除したことは決してなかった。むしろ臣民が武装していない場合、常に武装させたのである。それというのも臣民を武装させるならばこの軍隊は君主の軍隊となり、それまで疑惑の的であった者は依然として忠実となり、また忠実であった者は依然として忠実であり、臣民は君主の党派になるからである。

第20章「砦やその他君主が日常的に行う事柄は有益かどうか」
新しく、自分の派閥に加わった人にあえて武器を与える方が、かえって忠誠心が湧くよということです。ただし、混成型の君主国など統治の方法によっては、武器を奪うべきと例外はあるとのこと。

今の政治ですと、小池新党(都民ファーストの会、希望の党)に取り込まれた民進党勢力は、まさにこの典型ですね。かつての都知事選で鳥越都知事候補を支援していた敵だったはずが、今は党の主力になっている状態です。ただ、都民ファーストの会の古参からすれば、結構腹立たしい状況ではあります。そして、この文章としては、古参から武器を奪えとまでは言っていない訳です。古参の発言権を奪った小池新党が離党者を出す状況は、この文章に反している状態だとも言えます。


そんな訳で、裏切りや不条理なことを相手に課すときは、正しく使わないと、大変ですよというお話でした。