占いとかやっている割に、私には霊感というものがありません。いえ、だからと言って霊体験が全くないという訳でもないので、たまにはそういう話を書いてみようと思います。

数年前、私の祖母が無くなりました。葬式が終わり、数か月たったのですが、私の親や叔母たちが揉めています。端的に言えば、遺産相続の問題です。青森の田舎の山なので資産価値はそれほど無いのですが、祖母はそういった土地を少々持っていたので、どう切り分けるのかで揉めていました。しかしながら、こじれにこじれ、当時東京に住んでいる私にまで親戚から電話がかかってくる始末。不本意ながら、帰省して話し合いに顔を出しましたよ。

しかし、結局のところ、議論は平行線。かくなる上は、祖母に決めてもらうことになりました。元々、祖母の土地なんだから、祖母に決めてもらうべきだろう、あったまいい!!






とはいえ、祖母は既に死んでいます。 死人に口なしです。そこを何とかできるのが青森。青森県の北部、恐山にはイタコというのがいます。口寄せという形で死者を降ろし、会話ができるというアレです。

しかし、私の親族は基本的に青森の南部、八戸住まいです。県内とはいえ、青森県はとても広く、親戚一同で恐山に行くのにはコストがかかります。という訳で、地元で「カミサマ」と呼ばれている人に何とかしてもらおうということになりました。

実家から車で30分かからない距離を移動し、神社っぽい雰囲気だけど、鳥居も本殿もない一見古めの民家に到着しました。中の部屋に通されると、大きなひな壇があり、その上に祭具やお供え物みたいなものが置かれています。

私の親族一同は、ひな壇の前に座り、巫女っぽい格好をした中年?の女性に、祖母の生年月日と命日を伝えます。そして女性は祝詞を唱え始めます。

Fudō_Myōō


数分後、トランス(といっても静かな感じ)したらしく、なんか降りてきたみたいです。自らを「不動明王だ」と名乗りました。不動明王は、仏教でいうところの神様的な存在です。そして、あの世で祖母が、あー言っている、こう言っていると伝聞形でマシンガントークを始めました。ある親戚には「あなたの子はギャンブルに気を付けなさい」とか、別の親戚には「転ばないように」とか、そういった類の内容です。こちらから質問をする間もなく、やがて不動明王はしゃべるだけしゃべって去っていきました。

あとで聞いた話によると、命日からそれほど時間が経っていない場合、うまくいかないことがあるとのこと。結局、土地をどう配分するかについては祖母の意見を聞けずじまいでした。その後、相続の話は終息するまで1年以上かかりました。


今になって当時思うと、あの神憑りは、高田馬場でやっている「預言カフェ」と構造は似ています。預言カフェの場合は、キリスト教の神様が「あー言っています」という伝聞形のマシンガントークですので。また、改めてネットで調べてみたのですが、「カミサマ」とやらは「南部イタコ」とイコールなのか、よく分かりません。

なぜこんな話を今、書いたのかといえば、最近、上記のエピソードとは全く縁もゆかりもないスピリチュアル関係の人に、「不動明王が貴方の後ろにいるよ」と言われたからです。私には霊感が無いので、どちらとも真偽を吟味できません。ひょっとしたら、その霊的存在が本当にあるとして、その霊が勝手にそう名乗っているだけなのかもしれません。いずれにせよ、全く違ったところでこの名前を聞いたので、少し驚いたのでした。

ちなみにですが、マシンガントーク中の不動明王は私に対して、「女には気を付けろ」と一言だけ言いました・・・。悪女から悪いお誘いを受けたことは全く無いとまでは言わなくとも、まだ女性から痛い目に合わされたことはありませんね。幸か不幸か。