実のところ、私の人生において、高校以降ビデオカメラと無縁になったことは1度もありません。学生時代は自主映像を制作してましたし、新卒正社員時代も、自営占い師時代も仕事で映像を作る機会は多かったです。そして、違う業界に転職した筈の最近も、何故か仕事でビデオカメラと接する機会が増えています。

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カメラというか視覚的なものが縁があるなあと耽っていたら、あと半年ぐらいでレーシックをしてから10年になることを思い出しました。大学3年生だった当時、私は大二病を患っていた時期でもあり、中々いい感じにレーシック体験日記を書いておりました。せっかくなので、このブログに転記してみたいと思います。

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視覚から人間は記憶を作ることができる。 
視覚は物を思考するときのマテリアルであり、 
人間は何を見たか、何を見てきたかで、心のあり方は変わってくると思う。 

私が視力回復手術、レーシックを受けようと思ったのは、 
そんな物を見ることへの思い入れが強いからだ。 

私の視力は 
右0.04(目から20cm離れた新聞が読めない) 
左0.09(かなり重度の乱視) 
であった。 
このまま薄れていく視力。 
無人島に一つだけ持っていくとなると何?と聞かれたとき、 
真っ先に眼鏡と言わなければならぬ悲しみ。 
そして、自分の力で思考のマテリアルを獲得できない苛立ち。 
どうにも耐え切れなかった。 

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23日水曜日、適性検査の結果、手術は可能ということに。 
レーシックとは今現在考えられる上で、最も安全性が高く、 
失明率1%未満を誇る視力回復手術と言われている。 
原理上は失明はありえないはずだ。 
一番の問題は、歴史が浅く、20年以上のデータが無いこと。 
未知のリスクというものがある。 
私自身はその未知のリスクが 
最悪「失明」という覚悟の上で翌日の手術に望むことを決意した。 
その決意後、病院から出て一番初めに買ったのは、 
デジタルカメラだった。 
失明を決意しているのに、なおも視覚芸術に固執するのは笑える。 

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24日木曜日。 
手術は午後からである。 
午前中は家で過ごす。 
これで失明するかもしれないという不安でいっぱいになり、 
最後に何を観ようかと真剣に考え、 
今までビデオに撮ってきた映像をひたすら観た。 
私は、これによって人格ができてきたのだ。 

手術直前、緊張のあまりトイレに3回も行く。 
飲み薬も服用した。ほとんどがストレス対策の胃腸薬だった。 
麻酔用の目薬を点眼されて、リラックスベッドで順番を待つ。 
薄暗い部屋でクラッシックが流れている。 
部屋には私のほかにも4人ベッドに横になっている。 

いよいよ私の名前が呼ばれた。 
あの麻酔点眼薬は、痛み止めにはなるものの、視覚は奪わないらしい。 
いよいよ手術台に寝せられる。 

歯医者の治療ベッドみたいな感じで、 
頭の上にはレーザー照射機が覆いぶさるように配置。 
金属が目玉に押し付けられ、まぶたが閉じないようにされる。 
そこから見える光景は、 
真ん中に発光ダイオードみたいな赤い小さな光があり、 
その周囲にいくつかの白いランプが花びらのように並んでいる。 
UFOに連れ去られて何かされるのではないかと思う。 
この場に及んで、 
ドキュメンタリーにこれが撮れればなぁとも考えている自分もいた。 
医者曰く、赤い光に注目していろとのこと。 
「レーザー照射21秒です…、10…、あと5秒…」「パチン」 

赤い光が無くなった。 
話には聞いていたが、治療プロセスの一環として 
一時的に失明したんだと思い出す。 
これを思い出していなければパニックになっていただろう。 
そのあと、何かがぐいっと押し当てられる。 
それが離れた瞬間、見える、ぼやけてはいるものの、 
手術前より、はっきりとした照射機が見えている…。 
「次、左目行きます」 
同じような工程を繰り返し、一旦、手術台から下ろされる。 
白く霧がかっているものの、この時点で手術前よりもはるかに見えている。 

しばらく休憩したのち、仕上げとしてもう一度、手術台へ寝かされる。 
今度は中心に緑の光。 
その右上に4×4、16個の白い光。右下、左下、左上にも同じく、計54個。 
さらに、右上16個のランプの右下、すなわち右下16個のランプの右上に 
赤いダイオードっぽいランプが1個。 
緑ランプを機軸とした対称、左端にももう1個赤いランプ。 
「レーザー照射21秒です」 
今度は焼かれている匂いがする。 
足の蛸を削るときの匂い、あるいはスルメを焼いているときの匂いだ。 

それが終わると、また何かがぐっと押し当てられ、 
作業が終了となる。 
20分休み、軽く検査した後、実にあっけなく解散。 
気持ちが悪いほどはっきり見える。 

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25日金曜日。 
朝起きて、就寝時保護用眼帯を外すと、 
天井がはっきりと見える。 
あそこにポスター貼ってもいいかもしれないと思った。 

翌日検診で、病院へ。 
視力検査をしたところ、 
右0.04→1.5 
左0.09→1.2(乱視完治) 

さて、この眼で何を見ようか?

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この10年、特に視力が衰えることもなく、様々な世界を観てきました。私、結構、自尊心は低いですが、何を観てきたというのであれば、自慢できるものは多いと思います。そして、私が今何を観たいかと言えば、世界が良い方向に変わる様を観たいのです。

それは政変なのか、機敏に感じ取る時代の流れそのものなのか、個々人の人生に光が差す瞬間なのか、はたまたスピリチュアル的な何かなのか、私にもよく分かりません。