選挙が迫ってきました。有権者の方は投票所に投票に行くことも少なくないでしょう。投票後に、「あ、漢字間違えて書いたかも・・・」とか不安になることはありませんでしょうか?私、一度、とある立候補者陣営の開票立会人というものをやらせていただいたこともあり、有効票なのか無効票なのか、投票用紙を一枚一枚確認したことがあります。その経験を元に、その投票が有効かどうかの判断方法をまとめてみました。


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今回は小選挙区と仮定しまして、以下5名が立候補しているとします。
※全員、実在の人物とは関係ありません

国語太郎(こくごたろう A党現職議員)
数学花子(すうがくはなこ 会社員)
理科大輔(りかだいすけ 教師)
音楽俊一(おんがくしゅんいち B党現職議員)
美術理香子(びじゅつりかこ 主婦)


まず、投票所から開票所に集められた投票用紙は機械による選別が行われます。
機械で判別できなかった投票用紙は、一旦、人力で仕分けすることになります。特定の候補者に対し有効票と思われるものと、特定の候補者に対して無効票に思われるもの、その他明らかな無効票などに分別するのです。

その分別が終わり次第、開票立会人達が最終的に判断していきます。その判断基準については次のとおりです。

1.有効票と判定される例

・ひらがな、カタカナ、漢字まじりのもの
"国語太郎"、"こくごたろう"、"国語たろう"は全部〇

・氏または名が正しく書かれているもの
"数学"、"大輔"、"しゅん"は全部〇

・政党等の名称又は略称が書かれているもの(比例代表選出)
"A党 国語太郎"は〇、"B党"だけの場合は今回は比例代表でないので×

・ローマ字等を使用して記載されたもの
"ONGAKU"、"Bijutsu Rikako”は〇

・氏名にふりがなが記されているもの(正しいフリガナに限る)
”国語太郎 こくごたろう"は〇

・欄外(裏面も含む)に記載されているものや横書きで記載されたもの

・氏名の他に候補者の職業・身分・住所・肩書等が記載されているもの
"会社員 数学花子"は〇、"教師"だと氏名が全然書かれていない為に×となる可能性が高い

・敬称(さん、先生、様、君)がついているもの
"音楽俊一先生"は〇、
"美術理香子ちゃん"の場合は疑問票として議論された後に〇になる可能性は高いが、避けた方が良い

2.無効票と判定される例

・所定の用紙を用いないもの

・候補者でない者の氏名を記載したもの
"社会次郎"は立候補していないので×

・候補者のほか、他事を記載したもの(職業、肩書き、住所、敬称等を除く)
"東京都 国語太郎さん"は〇、"数学花子 がんばって★"は×
応援メッセージ等、関係ないことを書くとたとえ、候補者の名前が正確に書かれていても無効票になりますのでご注意を!!本当に無効になります。

・二人以上の候補者の氏名を記載したもの
"国語太郎 音楽俊一"は×

・単に雑事を記載したもの
"A党は世の中をダメにした。市民の事を全く考えていない。〇〇の案件なんか最低だ"は×
ごくまれに投票用紙に熱い想いをぶちまけている人がいるのですが、ぶっちゃけ言いますと、全く読まれません。それがA党の開票立会人であろうが、競合する他党の開票立会人であろうが、手作業で仕訳をしているスタッフの方であろうが関係ありません。ましてや、A党の当事者には全く届かないでしょう。開票所は戦場であり、流れ作業で忙しいです。横目で何か余計なことが書いてあるから無効票と判断した後、最後まで読む余裕がないまま箱詰めされ文字通りにお蔵入りとなります。本当に何かを訴えたいのであれば、投票用紙に文句進言等は書かず、無理やりにでも自分に近い思想の人に投票する以外、あり得ません。


・自書でないもの(代理・点字除く)
点字票は、一旦、カタカナの文字に起こし、それを立会人達が承認する形で扱われます。

・どの候補者への投票か、確認しがたいもの
問題は"りか"と書かれていた場合。理科大輔と美術理香子の二人の可能性があり、議論の末、無効票もしくは按分票となるでしょう。按分票となると、得票数に比例して分割され、例えば理科大輔が900票、美術理香子が100票獲得しているならば、理科大輔に0.9票、美術理香子に0.1票みたいな分け方となります。

・白紙投票

3疑問票として個々の筆勢や記載により個別に判断を要するもの

・候補者の氏又は名あるは政党等の名称の一部が誤って記載されたもの
 "理科大介"はおそらく、ありがちな書き間違いとなるでしょうが、良識的に考えれば"理科大輔"に対して投票したというのは明白です。この場合は9割以上の確率で、立会人たちの温情判決により、満場一致で"理科大輔"への有効票として扱われるでしょう。

では"理科大輔"以外の勢力の立会人は、温情判決のまま敵陣優位の結果に巻かれるのかという話になります。立会人は確かに候補者陣営の代理人ではあるのですが、それ以前に公益代表という立場でもあり、公平性を重視しなければなりません。立会人は、異議申し立てをすることもできるわけですが、他陣営の票を重箱の隅をつつくぐらいにいちゃもんをつけると、逆に自分の陣営の票も厳しく突っ込まれる可能性があります。基本的には穏便に円滑にといった感じでしょうか。ただ、接戦だったら、事情は変わってくるでしょう。

他にも"音楽俊一"を"おとがくしゅんいち"や"音楽俊"などと書き間違えたとしても、同じように良識的に判断される可能性が高いです。ですので、良識的な範囲での書き間違いであれば、後で心配する必要はありません。

・候補者の指名の他に他事が記載されたもの



まとめとしては、投票所で投票用紙に記入する机のところに張り出されている、名簿一覧の名前のとおりに書けば、まず間違いないです。基本的には余計なことを書かない限り、立会人は寛容ですので、恐れずに投票に行きましょう。