表題のとおり、職業魔術師を辞めることに致しました。その理由を端的にいえば、開業前に職業魔術師になることを躊躇させた3つの問題に対し、ポジティブな回答を見いだせなかったからです。

関連記事:私が魔術師になるのを拒絶した理由

開業前に解決しておけよと突っ込みを入れたい方もいらっしゃるかもしれません。しかし、2年半前の当時は就社活動のために働かせてくださいと沢山の門戸を叩き、ダメだと門前払いを受け続け埒が明かなかったので、こうなったら自分でやってやると起業の選択肢しか思いつけなかったのです。仮に記憶を維持して当時に戻っても、同じことをせざるを得なかったでしょう。

 NickKing


【1】世間的問題:占い師は胡散臭い。
以前、別に恋愛関係とかそういう訳ではないのですが、女友達と食事をしたとき、「占い師はお父さんに紹介できないな」と言われたことがあります。言われてみればもっともなことで、私が同じ立場であれば、同じことを思うことでしょう。世間には、怪しい占い師、胡散臭い占い師、悪徳な占い師が溢れていますので、しょうがないことです。むしろ、業界のとある先輩曰く、もっと怪しくなれよと喝を入れるほどです。そんなスピリチュアル業者の中でも比較的、自分は誠実に高潔にやってきたつもりではありますが、他人(同業者)は他人と割り切るのに中々の葛藤がありました。まあ、世間の目は諦めつつ、自己メンタルの調整は何とかなりました。

逆に、一部の人たちからは絶大な支持と支援を受けました。鑑定料の他に、米やら菓子やら、最近ではわら納豆なんかも頂きました。お地蔵さんの気持ちが分かるというか、「清貧」という言葉を考えた人の心境を理解できるというか、ありがたいような、何というか不思議な気持ちになりました。ただ、この状況が日常化しすぎると人間ダメになるというか、人間を辞めてしまうのではないかという懸念が生まれてきたのも事実です。

世の中に対し、giveよりもtakeの方が多いのではないか。多くのスピリチュアリストは「感謝」という言葉を多用して、このもやもや感を拭おうとしています。私も支持してくださった方には本当に感謝しています。今までありがとうございました。でも、感謝を示すということだけでは、「今度呑みにいきましょうねー」という言葉みたいな何か根本的に不足しているようなものを感じてしまうのです。


【2】経済的問題:売れる仕組みが思いつかなかった。
何とか食えるほどの収入はあったのですが、正直、貯金はできない経済状態でした。そして、今のやり方を地道に進めて行っても、収入が大幅に上向くことはないかと思います。色々販路を広げようとシミュレーションしたり、試してみたりしたのですが、割合としていまひとつのことが多かったです。

ちなみに今ここでシミュレーションと書いていますが、何でもかんでもチャレンジしてみればよいという訳ではありません。失敗するということは時間と金を失うことです。資金がそこまで潤沢ではない場合、失敗というのは金銭的大損失を被ります。食うか食われるかの世界にいるときは、失敗って、相当な寛容な精神が無い限りするべきものでは無いのですよね。

シミュレーションの仕方にも色々ありますが、似たようなことをやっている人の動向を観察するのも、そのひとつの手法でしょう。そして大変困ったことに、私の周りの範囲にいる真っ当な占い師の場合、大抵の場合は副業もしくは主婦の片手間であり、占い単体の経済活動でみた場合、皆さま苦戦している状況でありました。人格的、あるいは占術の実力的に尊敬できる占い師には恵まれましたが、つまるところ、ビジネスとしてロールモデルにしたいと思える占い師がいなかったのです。もちろん、私のポリシーとは違った形で儲けている占い師も確かにいるのですよ。ただ、自営業という形だと自分を押し殺してまで儲けたいとは思えなかったのです。


【3】魔術的理由:主人公を諦める
私の場合ですと、職業魔術師(占い師)を続けるということは、上記のとおり、結婚も金持ちになることも諦めることに近しいものがあります。また、人間的な成長どころか、人間を辞める方向に進みつつあるのにも危機感がありました。そして、自分が物欲的な意味で幸せとは違う状態で、人に助言ばっかりしているのもどうかと、ずっと思い続けてきました。自分を主人公とした生き方に全然なっていませんでした。「魔術を志す者は、良くて脇役、大抵悪役。主人公となることを諦めよ」という言葉が呪いのように降りかかってきます。まあ、悪役に堕ちなかっただけ、マシだとしておきましょうか。



そんなこんなで、一旦、人生を仕切りなおそうと思います。4月上旬に廃業届を提出する予定です。皆さま、これまで本当にありがとうございました。占いそのものは、自分では結構当たると思っていますので研究は続けますし、このブログも半分以上は趣味も兼ねていた「日記」ですので継続はしていこうと思います。鑑定を依頼したい人への対応は、近日中に発表いたします。