ここ数年、スピリチュアル・占い業界に足を突っ込み、周りの諸先輩方や事業者の人達と話をしてきました。職業占い師として見たときのこの業界の雑感をまとめてみたいと思います。

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【1】かつてないほどのスピリチュアル不況

テレビで心霊番組特集がめっきり減った昨今、私の周りにいる先輩占い師たち曰く、大抵口をそろえていうのは、「2011年以降、客の数が減った」というものでした。2011年といえば3.11があった年です。不安に駆られて、占いに頼るかと言えば案外そうでもないのですね。何故、こんな状況になったのか、色々話を聞いてみたのですが、ありうる可能性としては次の3つです。
・地震があった後、不確実なものに対する価値が下がった。
・占い師による詐欺事件の報道 特に2012年のオセロ中島氏騒動の影響が非常に大きい。
・天王星が2011年~2018年まで牡羊座に入室。これまでの蠍座~魚座までの期間が占い業界にとってボーナス期間だった可能性。


【2】職業占い師に求められているのはマネタイズ

プロとしてやっていくというからには、収益が無ければやっていけません。占い師とはいえ、霞を食って生きている訳ではありませんので。そんな中で職業占い師には「マネタイズ」、つまり収益を作る仕組み作りこそ、今、最も求められています。占いの需要が無くなったかといえば案外そうでもなく、「タダなら占ってほしい」という人たちを、私は沢山見てきました。何かしらのイベントで無料で鑑定すると宣告すると長蛇の列が並びますもの。そして、これは場所にもよるのですが500円取りますと宣言すると、急に列が無くなります。

世の中にはタダでできる占いツールが溢れています。テレビや雑誌、ネット、交通広告など至る所にあります。そんな中で、有料で占う価値を提供しなければなりません。実のところ、占いに限らず、コンテンツ業界ではこのマネタイズに相当頭を悩ませています。今のF1層(20歳から34歳までの女性)は、ゲームのようなエンターテイメントコンテンツにおいて、無料でプレイするのが当たり前になっています。占いをエンターテイメントに位置づけるかはさておきとして、非定型のサービスにどうしたらお金を払ってもらえるのか、その仕組みづくりや役割の創出に知恵を絞らなければなりません。そうでなければ、価値があるならばお金を払うF3層(50歳以上の女性)を相手にしたやり方を考える他はありません。

【3】大量の副業占い師の登場

占い師には何故女性が多いのでしょうか?端的にいうと、人気商売の気が強く、元々それほど儲からない仕事だからです。イメージするならば、バンドマンとか作家とか画家みたいな感じで、一部のスーパースターとそうでない多数の方々で構成されています。そのため、一家の大黒柱として稼ぐことを強いられてきた男性にとっては相性はあまり良くないですし、逆に有名男性占い師は割合として、変人気質のある若手か、高齢な方が多いのも納得できます。このような事情から、本業にするのは厳しい仕事であり、「副業としてなら薦める」とセミナー中に発言する占い講師もいます。

確かに、国家資格が不要であり、開業にもそれほど手間や金がかからないため、副業としては非常に参入しやすいのです。それに、WEBサービス、アプリサービス、副業ポータルサイトが充実してきた昨今、その気になれば働き口は見つかるでしょう。ただ、参入障壁が低いということでは、ライバルの数が多くなるのも必然。供給過多なところもあり、貰える仕事の単価は相当低く、コンビニバイトの方が時給計算で2倍以上金銭効率が良いことも珍しくありません。しかも、雇用契約ではなく、成果型報酬の業務委託がほとんどですので、最低時給などという概念は存在しません。

【4】儲かっている占い師の潮流

大きく分けると2つあります。
王道なのは、良い占い会社に所属し、数々のライバル(同僚)たちより沢山の指名と良いレビューを貯めていき、会社(サービス)の看板占い師の座を獲得し、マスメディア出演というのがひとつのルートでしょう。直接話すことのできる芸能人と言っても過言ではありません。いずれにしても、どこと組むかを慎重に考え、新規とリピーターの顧客を地道に増やしていった賜物だといえます。

もうひとつは、コミュニティを築き上げることです。素敵な会合を何度も開き、会費を徴収するサロンビジネスです。集客、進行、コンテンツ企画、プロデュース、ブログ&SNS運営、サロンからの導線で個別セッションなどを行います。時にはコラボをして、イケている人達をゲストに招き入れたり、逆に自分がゲストとなって出演料を貰いつつさらに人脈を増したりすることもあるでしょう。説教をする仕事の人というのは「自分のようになるなと考える人」と「自分のようになれと考える人」の2種類に分けられますが、この場合は断然後者です。ただ、油断していると、収益は出ないままSNSがお洒落な写真で埋め尽くされるだけになってしまう人もいますし、人が集まるからと人狼ゲームばかりやってしまう人も出てしまいます。そして、一番最悪なのは、ダークサイドに堕ちること。「子宮の声を聴いて、そこにパワーストーンを入れよう」とか言ってみたり、「正しく願えば、引き寄せられて実現する」と教祖化したり、「素敵な物はみんなに教えたいよね」とネットワークビジネスに手を染めてしまったりと。。。もちろん、ちゃんとやっている人もいる訳で、焼き畑農業的なビジネスは業界全体を貶め、迷惑です。

【5】隣の芝は青い症候群

東洋占術系の占い師の話を聞くと、若い人には取っつきづらそうだから西洋系がうらやましいと言います。一方、西洋系占術を中心としている私からすれば、これからはインバウンドの時代なのに、外国人相手には西洋系ってイマイチウケが悪いなとか思っています。

また、ベテランでITに弱い占い師たちは、「今はネットが凄いらしいね。まずはパソコンを触ることから覚えれば、スキルアップして稼げるようになるかしらー」と言っています。逆に占いアプリを配信している業者だと「アプリだとマネタイズが難しいです。対面鑑定だと占っていると感じられて、お金払って貰いやすそうですよね」とか言っている訳です。
 
隣の芝が青いと嘆かず、今ある武器に誇りを持って、それをいかに工夫していくかが求められているのかもしれません。