昨日、中国についての記事を書いたので、ひとつ北京駐在時代の話をしたいと思います。その中でも、特にある中国人上司について。

日本語が流暢なその中国人上司ですが、とにかく厳しい人でした。やる気が無い人間には厳しく叱り、現地採用のローカルスタッフも必要とあれば容赦なく退職させます。日本に比べて簡単に採用、簡単に解雇という市場の流動性のある世界では、これは特殊という訳ではありません。そういった状況から、実際、社内でも恐れられていました。

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しかし、中国人上司は尊敬されてもいました。彼はグループ内でトップクラスに成果を上げていましたし、 非常に回転の速い頭で次の一手となる新規事業について常日頃試行錯誤や研究をしていました。また、意味のある残業をしている人たちにはねぎらいの言葉を忘れず、毎日のように、理想と現実の両方を語る人でした。

そんな彼から学んだ仕事哲学について、ご紹介しましょう。 


「そんな仕事、全く意味ないじゃない。寝ていた方がマシですよ」

中国人上司は、ときには日本本社から振られた仕事の価値について徹底的に検証し、場合によっては意見することすらありました。彼は仕事の社会への価値とそれに基づく現実的なリターンを常に自問する人でした。自分達が提供している商品やサービスについて、厳しい目を光らせます。また、社内で作業のための作業をしている人には「それ、どんな意味があるの?」と容赦なく疑問を投げかけます。そして、無駄かどうかの作業判定制度を導入し、本当に無駄な作業だった場合は、「寝ていた方がマシですよ」と文字通り作業を止めさせました。


「お客さんは友達だよ」

良いものだと確信しているならば、それはどんどん広げなきゃと中国人上司は口癖のように言っていました。傍からすれば、ねずみ講やネットワークビジネスの勧誘文句のようにも聞こえますが、その本質は違います。彼は、仕事の価値について徹底的に追及している訳で、商品やサービスの意義について何度も厳しく自問自答し、人に伝える価値があるからこそ、伝えているのです。だからこそ例えプライベートの関係であったとしても、平気で自分の商品について語ることができ、後ろめたい感情もそこに無いのです。


少なくとも自分達の商品を自分達で活用しないような状況である場合は、自分達が価値を見出していない証であり、それを社会に広げるというのは善ではないでしょうし、価値を見出して対価を払ってくれる人は少ないでしょう。