お金を稼ぐとは、世に価値を提供した対価を得ることだというのが、私の信条というか、良識的なビジネスをしている人たちの一般論だと思います。しかし、世の中にどういう価値をもたらすのか疑問に思うような仕事も多々あります。例えば、株とか外貨のトレーダー。トレーダーをあえてマイナスに表現するならば、転売屋ですね。彼らって、いったい何の価値を世の中に提供しているのだろうと考えてみたところ、ひとつの答えに行き着きました。

それはずばり、「夢を売る」ということ。

株って、安い時に買い、高い時に売るのがセオリーです。
株を購入するときというのは、この株の株価はもっと値上がりする、もしくは、株価は下がらないだろうしオプションが魅力的と、期待に胸を躍らせることがあります。

逆に株を手放すというときは、この企業の価値は所詮こんなものだろうとか、どうせこんな株はもう値上がりしない、或いは株なんかよりも一刻も早く現金が欲しいと、ある意味では、更なる値上がりの夢を諦めるのに通じるものがあります。

つまりは、株を買うというのは、誰かのネガティブの感情を受け止め、株を売るというのは、誰かに夢を与えているということで、ある種の心理的な価値を提供していると言えるでしょう。

夢を扱う仕事は他にも沢山あります。

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一番健全な形で夢を売っているのは間違いなく教育業でしょう。ジャンルにもよりますが、ネットを漁ると、無料の教材や資料に溢れています。教育団体によって、教え方がうまいとか、演習できるといった付加価値も確かにあるのですが、単純な知識の授受だけで考えれば、無料でできる時代になってしまったのです。

それでも高い金を払って、その教育を受けるということは、そこに夢があるからではないでしょうか?学習塾だったら良い学校に進学できるという夢、大学だったら就職やら社会的地位に関わる夢、何かの怪しいセミナーであれば儲けに繋がるんじゃないかという夢。

仮に就職率が高いと謳っている大学に行っても、就職に失敗してしまう人はいる訳で、だからといってそこで学費の返金を求める人はいません。それは、大学の教育の仕方が悪いかもしれないし、本人の努力が足りなかったのかもしれない。

変な話、夢という曖昧なものは、成果が出るだろうと信じて大金を出し、既に買ってしまった人からすれば成果を追及しづらいものだと言えます。最も、成果が出ない購入者が溢れれば、広報に嘘でも書かない限り、購入者予備軍に夢を抱かせることはできませんので、商売は瓦解しやすくなるでしょうね。


逆に言えば、夢を持たせるように適度に煽ることが、実態以上の価値を生みだすこともありうるということです。その最たるものが、美容関係のもの。化粧品の原材料費は大したことはなくとも、美しくなれるという夢を女性に見せるために有名女優を広告に起用しています。売上の少なくない割合を広告費に費やすことになっても、その夢を持たせるという付加価値こそが重要なのです。


私のやっている占い関係も夢を売る仕事なのだとは思います。「超当たる!」とか「大丈夫だよ、きっとうまくいく」という夢を見せて安心させるのが、癒しをテーマに掲げるスピリチュアリストの根幹なのかもしれません。ただ、私の場合、「2割の確率で外れる」とか「NOという結果が出たら、NOとお伝えする」とか堂々と言ってますので、夢を売れていないのだろうなと思っています。

とはいえ、どうも夢を煽ってでも売りたいとは思えないのですよね。夢って、別に幸せに直結しているとは限らないからです。夢を追いかけている状態というのは、いつまでも満たされない病に苦しんでいるということ。商売がうまい人はそうやるのでしょうけど、そして夢という価値を提供しているのでしょうけど、それは本当の意味で幸せを売っているのか難しいところがあります。