私が所属している東日本大震災の復興支援活動をしているボランティア団体が、結成5周年となり、当初の目的を果たしたということで今月いっぱいで解散となります。

この5年間、数々のボランティア団体が、資金繰りがショートしたり、メンバーが空中分解をしたり、あるいは短期的な好奇心だけの燃え尽き症候群で活動を停止したりしていきました。私個人としては「やらない善よりやる偽善」派なので、それだけでも悪くないとは思うのですが、その中でも、当団体はポリシーをもって、5年間活動し、目標達成をした上で収束できる方向に持って行けるのは、とても素晴らしいことだと思います。

火おこし



内側の視点から、何故、当団体がうまくいっているのかを考えてみたので、まとめてみました。

【1】屋台骨となるリーダーがいる

うちの団体の代表は、カッチリしていない部類の人間です。具体的にいえば、団体のグループウェアにアクセスしない、リーダーらしい指示はほとんど出さないという感じで、組織マネジメントは苦手な方でしょう。

一方で、彼は100回以上の活動のうち、参加しなかった回数はわずか1回のみです。さらに職を捨てて被災地に飛び込んでいって現地に住み始め、団体の中で被災地に一番詳しい人物だとも言えます。マネージャーとしての資質は賛否両論あっても、

・誰よりも先頭を突っ走る
・○○をやりたいという意思表示と目標を掲げることができる
・活動現場において、命とポジション取りを任せることができる

という3点より、少なくともリーダーとしての資質に異を唱える人はおりませんでした。実際、団体内でとあるプロジェクトをやるかどうか議論が分かれたときは、最終的には彼のコメントで議論の流れが大きく変わるほどの信頼感があります。この団体が5年続いたというのは、言い換えると、このリーダーが5年頑張り続けた証でもあるのです。

リーダーについて外部記事:
3.11.が教えてくれた、弱くて頼りない新しいリーダーの形(愛知豊橋・長坂なおと のblog)


【2】適時適材のメンバー

実のところ、当団体のメンバーは、この5年間にかなり入れ替わっています。厳密に言えば、初期メンバーのコミット量が徐々に減り、3年目ぐらいで今のメンバーが中心の運営体制に変わりました。

被災1年目のメンバーは、情報感度が高いというべきか、好奇心を満たすためには苦労を厭わないタイプの方々。どちらかというと、リア充っぽい雰囲気を持つ人たちが多く、その突破力の高さは目を見張るものがある一方、熱しやすく冷めやすい傾向もあります。その多くが徐々にフェードアウトしていきました。しかし、彼らの作ったオペレーションマニュアルや彼らが集めた多額の寄付金は5年たった今でも有効活用されています。

3年目以降から中心になったメンバーは、初期メンバーに比べると、いささか渋い感じの人達。人の輪を広げるというのはそこまで得意では無いものの、高い運用力でオペレーションを安定させ、また責任感の高さも相まって、外部から高い評価を受ける活動を続けていきました。

5年も時間が流れると、多くの人はライフステージが1回か2回は変わります。ある人は転職し、ある人は遠くへ引っ越し、ある人は結婚で行動に制限が出るようになりました。そのために、活動を辞める人も出てくるのも致し方ありません。そして、外部から求められる需要も、一刻一刻と変わっていきます。

非営利団体に限らず、組織論を考えるうえで、適時適材は大事です。もし初期メンバーが3年目以降で、今の中心メンバーが初期で活動していたら、おそらく5年間活動しきれなかったのだと思います。初期メンバーの功績は、正しい順序で引き継がれたのでした。

初期メンバーの葛藤について外部記事:
5年間、ありがとう!想い出の巨大カステラベスト3で振り返る、ふらいパンダの軌跡(おときた駿)

【3】内省する力が強い

当団体は、自浄能力が非常に高く、理念と会則からぶれないように活動しています。例えば、人を集めるために何かしらのプロジェクトを行おうと予算決めをする際、団体の理念に沿っているのか、支援者様に恥じないお金の使い方をしているのか、かなり真面目に議論しているのです。メンバーは、意識が高いというよりも、有限の時間内に自分のできる範囲でコミットしたいという意識が強いです。だからこそ、余計な部分というのはどんどんそぎ落とされ、邪な考えを持たず、理念のみを追求できているのだと思います。

また内省というと、現場の実働においても、プロジェクトが終わり次第、文字通りの反省会を行い、ひとり一言コメントしています。それが、各々、次のプロジェクトに活かすことに繋がるのでしょう。

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私の場合は、参加歴は4年半、間約2年海外に行っていたので中抜けといった具合ですが、この団体に参加して活動できたことを大変うれしく思います。本当にありがとうございました。