私は日本の会社に就職しましたが、北京の子会社に出向することとなりました。「意味のあることは何でもやってみましょう」という寛容な上司の下、自分の管轄している部署のメンバーと好き放題仕事していました。仕事は決して楽では無いけど楽しかったです。食べ物も安くて美味しいですし、きちんと話をしてみると中国人は案外優しい。北京での生活は、正直なところ、悪くありませんでした。むしろ北京は、日本人コミュニティの充実度や漢字の使える文化圏ということを踏まえれば、海外の中で最も日本人が住みやすい都市のひとつだと言えます。ただ、一点を除いては。




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PM2.5。

写真は去年、住んでいたマンションの近くで撮ったものです。雨上がりや風の強い日は時折青空を見せるものの、それ以外は総じて酷い。特に酷い日は、マスクなしで外を歩くと5分で気分が悪くなるレベル。近くのセブンイレブンに逃げ込み、慌ててマスクを買いました。仕事や用事が無い時は、家に引きこもっていました。さらに前述のとおり北京の食べ物は異様に美味しいのです。動かず食いまくるとどうなるか?太ります。蝕まれる健康。中国に来てから1年が過ぎた時点で10kg太りました。これは私だけでなく、他の駐在員も同じように太るらしいです。



ある日、中国人の同僚が「オフィスを掃除しますね」と言って掃除機を手にしました。そして彼女は窓を開けました。掃除機を使うときは窓を開けるのは、日中関わらず普通のことです。しかし外はすごい霧。思わず「閉めてくれ」と叫んでいました。周囲の中国人スタッフ達からの冷たい視線が刺さります。私には日本に帰る場所がありましたが、彼らはこの国に住んでおり、国外に帰る場所はありません。この点において、彼らと越えられない壁を感じました。もうヤダこの国。この国から本当に脱出したいと思うようになりました。



そんな中、本社から帰任命令が届きました。


 

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哀愁的中國シリーズ

哀愁的中國5~駐在員時代の難問、中国人は反日か?~