11TheJustice

私のブログのヘッダー画像にも採用されている「正義」というタロットカード。

全体的にポジティブな意味を持ちますが、中々癖が強く、一概に幸福をもたらすとは断定のできないカードです。私のオリジナルカードもそうですが、大体のカードは、女神が描かれています。この女神、古代エジプトのマアト神であり、真理・秩序・正義を司ります。

マアトは、死者の前に立ちはだかり、死者の心臓を天秤の皿にのせ、隣の皿に乗っているダチョウの羽と釣り合うかどうかを確かめるのです。善人だった場合、天秤は釣り合い、死者を天国のような世界イアル野へと誘います。一方で釣り合わなかった場合、悪行を犯したものと見なされ、怪物アミメットにその心臓を食われてしまい、死者は二度と復活できなくなります。古代エジプトの遺跡ではミイラが発掘されますが、それは復活を願った肉体の保存のためです。復活できないというのは、古代エジプトにとって、シリアスな問題だったといえます。そういう意味では、マアトは正しさを測るだけなく制裁するという役割もあり、一部のタロットのデザインでは、剣などの武器も描かれています。

とはいえ、古代エジプトの正義って、いったい何なのでしょうか?

まず、古代エジプトにおいては、神と悪魔の対立構造がないことは大前提でしょう。神話上では、悪役っぽく描かれているのは「セト神」ですが、彼もまた神のひとりであり、悪魔ではないのです。古代エジプトの善悪感というのは、一般的な人間の視点でみれば、分かりづらいものなのかもしれません。後世の我々から見て、彼らの善悪の基準を考えるとするならば、おそらく神の定めた法に従うか否かと憶測する他はありません。 

少なくとも神というのは、一般人の日常よりは高度な次元に存在するのであり、神の法というのも、日常の諍いでは揺るがず、普遍性というものがあったのでしょう。そして人間的普遍性に留まらず、自然的普遍性、宇宙的普遍性までの次元に到達している可能性すらあります。場合によっては、宇宙の普遍性を実現するためには、人間が苦しんでもやむなしレベルの壮大さや残忍さすら秘めており、 一筋縄ではいかないのです。

マアトが描かれたタロットカードについてひとつだけ、はっきりといえる意味は、近視眼的な思考になっている者の主張に寄り添わない、公正さの体現ということでしょう。広い視野を持ち、誰にも媚びず、真理だけを追究する、とてもストイックなカードなのです。

なお、生き方全体を占う時、このカードが出た場合、そのストイックさや冷静な判断力をプラスと捉えることが多いのですが、物事を判断するとき「正しいか」を基準に生きると、中々しんどい生き方になりそうです。また、恋愛運を見るとき、ひとりに肩入れしないということから、特定の恋人を作りづらいという風に読めてしまうこともありますね。正義を使いこなすのは、とても難しいのです。