私の友人が、海外で起業したいと言い出しました。その人は、海外に在住経験があるし、ビジネスセンスもあるので、頑張れと激励を送りました。しかし、普通の人が海外でビジネスをしたいと言ったら、手放しに頑張れとは言えないと思います。むしろ、人によっては止めることもあるでしょう。

自分が中国で働いてきた経験を基に、日本人ビジネスマンが海外でどのように苦戦するのかまとめてみました。

【1】言語
一番、イメージしやすい問題かと思います。一部のエリート層との取引でしたら英語で充分でしょうが、本気でローカルビジネスに着手する場合、現地語の取得は必須と言えます。ただ、例外的に現地に住む日本人を相手にするビジネスでしたら、現地語のレベルが低くても案外何とかなります。


【2】文化
例えば、今年日本で流行った妖怪ウォッチ。和風テイストのキャラクターが沢山登場するアニメ(ゲーム)です。これを外国人が日本で見たとき、伝統なのか、流行なのかすぐに判別がつかないと思います。私も中国に住んでいたとき、これは伝統なのか流行りなのか理解できないものに沢山出会いました。そういった感性を養うには最低1年かかります。もし、すぐに成果を出したい場合は、信頼できる現地のスタッフを雇って、事細かくコミュニケーションするしかありません。


【3】価値観
日本人同士でも、価値観が合わず、人間関係がうまくいかないこともあるのに、ましてや外国人相手では、価値観のすり合わせは並大抵のものではありません。原則的に、考えたことは言葉に出して、丁寧に話し合う姿勢が求められます。なお、我々の予測のつかないところに逆鱗のポイントもあるので、そこは事前学習が必要です。例えば、メンツを大事にするアジアの一部地域の人々は、人前で怒られると、それを恥とし、逆切れすることがあります。場合によっては、それで殺人事件すら起こり得ます。

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【4】法律
ビザの取得方法から、暦上の祝日、商取引の規則など、実に沢山のことが日本と異なります。特に中国では、頻繁に法律が変わりますし、役場の末端スタッフまで浸透せず、理不尽な対応を取られることも少なくありません。


【5】体調管理
グローバル人材に限らずとも、健康は最重要事項と言えます。海外での生活は、気候、食べ物、ストレスなどで心身への負担は非常に大きいのは意識すべきでしょう。食べ物の好き嫌いが多い人は、当然のことながら苦労するでしょう。一方で、味にこだわらず何でも食べる人も要注意。一般的に酸味は腐ったものを暗示していますが、私は「これは酸っぱい料理なんだな」と調子に乗って食べて、腹を壊した経験があります。


【6】孤独
孤独感は日本に住んでいるとき以上に付きまといます。また、ローカルの人と友人になっても、バックグラウンド(学生時代の常識、好きなコンテンツ、金銭感覚など)が大きく異なるため、心の底から会話を愉しめるようになるには、かなりの時間が必要でしょう。

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【7】家族の理解
貴方が海外に飛び立つということは、家族を日本に置いてくる、もしくは、家族も一緒に海外に引っ越しをするということです。特に前者の場合は、残してきた家族に何かトラブルがあった場合、すぐに駆けつけることができません。家族ごと引っ越す場合はもっと難易度が高く、貴方は現地に溶け込むために死にもの狂いになると思いますが、家族にもある程度の困難を強いることになります。いずれにしても、きちんと話し合いが必要なのです。


以上のように、海外でのビジネスは日本人にとってアウェイです。私の友人は、上記の困難を全部背負い受けた上で、地の利がある日本でさえキツい起業を覚悟しているわけですから、本当に凄いと思いますよ。