・東京に震度6弱以上の地震が起こった時、環七通りが交通規制され、郊外から都心部へ移動できなくなる。これは二次被災を防ぐため。多くの企業の震災マニュアルでは、大地震が起こった時まず会社に戻るように指示しているが、この点で穴がある。

・東京で大地震が起きると、駅が人で溢れかえる。危機が訪れると、多くの人は行きに使った道をそのまま退路に使用できると盲信するため。本当ならば、一時避難場所か広域避難場所(公園や学校など)に逃げるべき。ただし、そこで火災が起こった場合はこの限りではないので、逃げようとする先が火の元から見て風下でないかは確認すること。

・大地震が起きた72時間以内は、半径10㎞以内の情報のみ信頼すること。それ以外の情報は、役に立たないどころか、情報を混乱させる。また大手キャリアの携帯電話は、緊急用の電波を優先させるため、一般回線の利用を制限する。どうせ電話もネットも繋がらないので、 もし安全な場所に逃げ込んでかつ停電だった場合は、携帯電話のバッテリー温存のためにも電源を切るべき。



上記はシブヤ大学における「SHIBUYA CAMP」中の座学で、隊長(ミッショントレーナー)が述べていたことです。この企画は、公園管理者の理解の下、代々木公園で被災訓練の一環として、キャンプをしようというものでした。避難訓練をする学校や会社はありますが、大抵が建物を脱出するまでです。そのあと、どこにどうやって避難すべきなのか、そこで一時避難をし救援部隊が来るまでどのように生き残るべきなのかは、これまで誰も教えてくれませんでした。SHIBUYAキャンプでは、それらの部分を学ぶことができたのです。


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このキャンプは愉しくかつ、中々ストイックなカリキュラムです。

午後:代々木公園集合、各自テント組立
16時~19時:座学
19時~21時:グループに別れて、渋谷や原宿で避難経路に危険個所がないかフィールドワーク
21時~23時半:振り返りとレクリエーション
23時半~翌朝5時:震災を想定し、3交代制で火の番
5時~6時:各班に別れて、同じ場所で再びフィールドワーク
6時~8時:振り返り、炊き出し、片づけ


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座学では、この記事の冒頭で述べたようなことを始め、「助かる人になれ。助ける人になれ。」というコンセプトで様々な生き残るための術を伝授されます。人を助ける前に、まず自分が助かることを最優先にしなければならないことを、みっちり叩き込まれました。


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フィールドワーク。渋谷の東急ハンズ、渋谷駅、原宿駅(竹下通り)、代々木八幡駅の4つの班に別れ、代々木公園までの安全な避難ルートを模索します。実際に震災が起こると、人の波ができることでしょうし、停電で真っ暗でしょう。頭上から落下物があるかもしれません。

状況にもよりますが、次の2点から基本的に大通りに沿って逃げるのが良いようです。万が一、怪我をしていた場合、他の人に発見される可能性がある点。GPSが全滅状態でも、大通りには看板があり目的地の方向と現在地が把握しやすい点です。ただし、大勢の人がパニックを起こして逃げる方向(例えば駅)が必ずしも正しい避難先だとは限りません。もし、押し寄せる人の波と反対方向に行きたい場合、逆らうのは非常に危険の為、脇の小道にそれるのが手なのです。

また、翌朝5時に起床して、睡眠不足の中、ほぼ同じルートをもう一度辿りました。参加者は注意力散漫になり、思考力が明らかに低下していました。体力面や頭の働き方を考慮すると、夜のうちに移動する方がいいこともあります。逆にもし、夜に被災し、暗い中での移動は危険と判断できる場合、一晩はその場に留まり、きちんと目が覚めた状態になってから避難するという手もあります。この辺りの問いに万能な正しい答えは存在せず、ケーススタディのみが判断の頼りです。

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それにしても、11月の夜は6度を下回り、とても寒かったです。温かい炊き出しが身体に染みました。まぁ、モンゴルで極寒キャンプを体験している私としては、まだ何とか耐えられたのですけどもね。

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