東ティモールは建国して十数年程度の若い国です。現在、JICAを始め、様々な団体がこの国を支援しています。しかし、そう簡単には発展しないのが現状です。発展を阻害するものは何なのかを今回は考えてみます。

【1】土地の問題
この国は、ポルトガル、インドネシアの支配を直近100年以内に受けてきました。従って、土地の所有権が混乱しています。外資系企業も所有権の混乱している土地にはあまり手を出したくはなく、誘致が進まないというのが、ひとつの大きな原因となっています。


【2】言語の問題
言語について一般人は日常において、テトゥン語を使います。テトゥン語は、アラビア語やポルトガル語にやや影響されている現地語で、文法そのものは単純です。しかし、単純な故に複雑な言葉、例えば法律などの文章には適しません。そこで、公用語として、占領下の名残でもあるポルトガル語を採用しています。つまり、学校でもポルトガル語の教育を行っているのです。しかし、ポルトガル語は日常生活では使わないので、学校で習う内容が頭に入らず、勉強はあまり意味を成していません。高校生が割り算も理解できていない程です。


【3】インフラの問題
最近は首都のディリ市に信号が登場しました。それまでは、信号そのものが存在しない国でした。インフラの整備がとても遅れている国なのです。また、良い病院もありません。もし、この国で重大な事故にあった場合は、他国に緊急輸送されて治療を受ける必要が出てきます。なので、観光客を含めた外国人の誘致はまだまだ先の段階だといえます。


【4】生産力の問題
この国では、生産力の弱さも課題のひとつです。バナナチップスを作る際、パッケージを自力で作ることができず、隣国のインドネシアから輸入する必要があります。そのコストも考えると、インドネシアでバナナチップスを作りそれを直接輸入した方が、消費者から見ると安いのです。また、工場を作ろうにも外資はやってこないので、結局のところ、生産拠点は工場制手工業の状態です。生産力はあまり高くはありません。無理に作ってもインドネシアに負けてしまうと、生産者のモチベーションは下がってしまいます。


そんな山積みの問題があるからこそ、青年海外協力隊を含むJICAは、この国に対し、自立できるよう支援をしています。最近はコーヒーの生産販売に力を入れており、ティモール産コーヒーの認知度は少しずつ上がってきています。また協力隊と日本の若き建築家が協力し、東ティモールでコーヒーショップを作りました。